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実は「貸し渋り」は起きていない [裏づけのない経営学]

世の中は景気が悪くなっているらしいですね

不景気になると、必ず出てくるのは
①金融機関が「貸し渋り」をしている
②中小企業の資金繰りがたいへん
という話です

確かに、景気が悪くなると企業業績も悪くなるのが一般的であり
金融機関もそういう企業には貸し出しを渋っているようです

でも、「金融マニュアル」を読むと
①経常利益が赤字の企業
②債務超過の企業(自己資本比率がマイナスの企業)
③要債務償還年数が長期にわたる企業
④先行きが不透明な企業
⑤ディスクローズしていない企業
には貸し出しは抑制せざるを得ないようなニュアンスです

つまり、景気が悪くなると、企業業績も悪化し、金融機関が今までのように
イージーに貸せない(審査を通らない)企業が増えてきます
「貸し渋り」とおっしゃる企業の多くは、たぶん業績が悪くなっていませんか?

バブルはじけて金融機関が破綻したり破綻しそうになった時
多くの方々は、「何でそんな企業に融資したのだ!」と金融機関を非難され
ペイオフの懸念から、貸し倒れを防げと。。。。。

ある意味、「貸し渋り」と「ペイオフ」は裏腹の関係にあるのかも知れません

「アリとキリギリス」という寓話がありました
「貸し渋り」とか「資金繰りがたいへん」とおっしゃる企業の皆さんは
業績のいいときに「蓄え」をなさいましたか?

確かに銀行は、「晴れの日には傘を差し出し、雨の日には傘を貸さない」
のかも知れません
それは今日にはじまったことではありません

経営のパートナーとして金融機関を仲間にしていらっしゃいますか?

そういえば、昨日、補正予算(案)が衆議院で可決されました
中小企業対策はいかがでしたでしょうか?
金融機関からお金を借りやすくすることよりも
①売上が増える(回復する)
②収益が上がる(儲かる)
ような施策はありましたでしょうか?

返さなければいけないお金を借りることよりも、
もっともっと優先しなければいけない事があるような気がします

実は「貸し渋り」は起きていないかもしれません
なぜなら、今日も、銀行員は
「お金を借りてください!」と頭を下げながら企業回りをしています






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コメント 2

silvia

「貸し渋り」と単に言っておりますが、ここに書かれている通りでしょうね。企業でも、その売り先が「どうも調子が良くないようだ。売上を抑えろ」などと、きっと指示を出してるはずです。
これと、金融の「貸し渋り」は同じようなものです。

問題は、企業が変革を行うときに資金が必要です。これを、相手(金融機関)にきちんと説明が出来て、その計画に近い(計画通りとは言いません)動き(例えば、売上とか)をしておれば、相手(金融機関)も応援するはずです。

常に一歩先の行動、更にはそれをきちんと説明する(ディスクロージャーとも言う)ことが出来れば、きっと問題は解決するように思います。
by silvia (2008-10-18 16:42) 

beni_ha

silvia様

書き込みありがとうございます

おそらく誰も正しいことを行なっているはずです
たぶん。。。。。。。

ただ「合成の誤謬」という言葉があります
正しいことばかりが集まると、間違ってしまう あるいは 意図しない間違いが起きてしまう ということです

たとえば、こういう不景気な時期には、企業も家計(家庭)も政府も節約をしますね それぞれ正しい行動です しかしながら、その結果として消費が落ち込み全体の景気が悪くなるというのがそのよい例です

政治家の方も、経済評論家も、テレビのコメンテーターも、一部分だけ見て、その結果論理矛盾を起こしてしまっている人が多いようですね

「基本は変わらない」というのをベースに、基本ってなんだろう?と振り返ってみることも大切ですね
by beni_ha (2008-10-18 19:21) 

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