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挨拶の理論(挨拶についての屁理屈) [ご商売の無駄話(beni色のessay)]

取引先の経営陣からよく相談を受けることの一つに「挨拶」の話がある。
企業組織にとって、「挨拶の出来・不出来」は大きなテーマであるとともに、「永遠のテーマ」かもしれない。
生まれてこの方、「挨拶」言葉の数々は優先的に覚えてきたものであるはずなのに、ビジネスの現場ではなかなか上手に使えないのも実情です。この「ビジネス現場での挨拶言葉」について、少し考えてみよう。

祝意・謝意・親愛の意である挨拶言葉は、ビジネスの現場では、単なるコミュニケーションの手段であるのはもとより次のように整理できるのではないかと思う。
「挨拶ができない」人が増えてきたと嘆く前に、やはり合理性を見つけ出して、「やっぱり挨拶は必要なんだね」とわかってきたら「挨拶」も定着するのではないかと思う。

1.感謝の意を表す言葉
「いらっしゃいませ」「毎度ありがとうございます」「ありがとうございました」等が典型。
ビジネス上のお礼(謝意)を表明する役割を担っている。ビジネスの現場ではマナーとかエチケットとして当然のことと期待されている。
これは、「幼稚園」に入った時から教えられてきた「挨拶」の基本的な考え方です
ただ、大人になれば、この考え方だけでは「挨拶」は続かないでしょう

2.自己の存在をアピールする言葉
「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」等が典型。
相手とか集団に対して、自己の存在をアピールする手段である。挨拶なくして仲間になることはできないし、組織・グループに溶け込むこともできない。出勤してきたときあるいは取引先を訪ねたときの第一声などがこれである。

もしあなたがセールスマンで、どこかのお宅とか会社の玄関先で黙りこくっていたら、やはり「不審者」だと思われてしまうでしょう 誰しも「福来る」客を歓迎するものです 明るい第一声が訪問のコツです 「おう!あいつが来た!」「あいつが来るといいことがある」と思わせる第一歩=挨拶が必要だと思う

3.相手を思いやる言葉
「おはよう」「こんにちは」「さようなら」等の日常の挨拶言葉が典型。
挨拶をしたときの相手の反応で、相手がどんな心持・体調なのか等一瞬にしてわかるものである。
次の言動の切り出し方への重要かつ簡単な指標である 上司あるいは取引先の相手の顔色をうかがいながら話や行動を進めていくのが得策である。

もし、出勤して挨拶したときの上司の反応が「ぶすっ」としていたら、部下の人は誰でも、「今日の社長(部長)は機嫌が悪そうだ!きっと不吉な(いやな)ことがある」シグナルだと見抜くでしょう
逆に、妙に愛想がいいと、「きっと何かいいことがある」と思って、気軽に相談とか報告があるのではないでしょうか

また、出勤してきた部下に「おはよう!」と声をかけたとき、「ぶすっ」としていたら、「夫婦喧嘩でもあったのかなぁ」とか「二日酔いかな」とかネガティブなことを想像してしまうものです そういうときには彼には大事な商談や運転を任せてはまずいと考えてしまうものです

4.防犯としての言葉
「いらっしゃいませ」「毎度」「何か御用ですか」「どちら様ですか」等が典型。
見知らぬ人等の接近者・侵入者に対してアラームを鳴らす役目を担っている。

デパートなどで「いらっしゃいませ」の挨拶が重用されるのも、単に感謝・接客の意を示すとともに、挨拶に名を借りて声掛けをすることにより、不審者=非顧客を識別するのに使われている。なお、相手が笑顔で呼応したときは善良な顧客となるのは言うまでもない。

金融機関の店頭で「いらっしゃいませ」と唱えるのも、感謝・歓迎の意味合いに加え、「あなたの顔を見ましたよ!」という警鐘になるものである。
「ぶすっ」と入ってきたお客さんであったのなら
①苦情かお叱り
②強盗
の可能性が高く
「にこっ」として入っていらっしゃったお客さんなら
①いい話
②大口の預金
③御礼
の可能性が高いのは言うまでもありません
これは、金融機関に限らないことではないでしょうか

オフィス・工場等でも、挨拶をすることで、不審者・侵入者を認知し、情報あるいは技術等の漏洩を水際で抑止する役割を持っている。
工事業者・清掃業者・宅配業者等、一見、気に留まらない部外者に対しアラームを発する効果があるのは言うまでもない。

ただ、ビジネスの現場では「仕事・作業への集中」と「挨拶言葉」のバランスは、経営者・管理職の課題でもある。

タグ:挨拶
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