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「ほうれんそう(報連相)はうそ」の理論 [ご商売の無駄話(beni色のessay)]

企業の幹部研修とかに行くと、必ず教えられるのが「ほうれんそう」の話です。
漢字で「報連相」と書きます。

そうです「報告のほう(報)」「連絡のれん(連)」「相談のそう(相)」のことです。

実は「ほうれんそう」とよくおっしゃる方でも、誰が使い始めた言葉かはご存じない方が多いようです。
私は(今はない)「山種証券」と言う証券会社の研修用語が原点だと聞いた覚えがあります。

ところで、企業経営の中で、本当に「報連相(ほうれんそう)」が有効なのでしょうか?

正直に言うと、かくいう私も「報告」と「連絡」の区別はなかなかつきません。。。。。
「報告」は縦のラインに伝えていくことで
「連絡」は横のラインに伝えていくことと言うように区別すればわかりやすいのでしょうか。。。。。

この「報連相(ほうれんそう)」は、株屋さんで生まれた考え方だと言うことを意識してください。
株屋さんは、(偏見に満ちて申し上げると)、ある意味「お金持ちを見つけたもの勝ち」の商売です。

「どこかにおいしいお金持ちの客がいたら報告・連絡しろ・・・・作戦を指示するから」
「お客さんが立腹したり、困ったら相談しろ・・・・・解決策は教えるから」
と言う風に聞こえてしまいます。

でも、皆さんが子供だった頃、悪い話(例えば「学校で先生に叱られた」とか「テストの成績が悪かった」とか「隣の家のガラスを割った」とか等々)は、なかなか親には伝えたり相談したりできなかったご記憶はありませんか?

普段から、組織の中で「ばかやろー!」とか怒られ慣れている方なら抵抗がないのかもしれませんが、普通の人、とりわけエリートと称される人は、悪い話は「自分で何とかしよう」とか「隠しておこう」としがちではないでしょうか。。。
逆に、いい話はできるだけ早く伝えたくなるものです。

こう考えると「報連相(ほうれんそう)」に拘っていたら、いわゆる「悪い話」は伝わってきにくくなるのではないでしょうか。。。。。。!!
つまり、多くの経営セミナーで語られ、企業で実践されている「報連相(ほうれんそう)」は、話の流れ(ベクトル)がすべて下の者から上の者に向かっているようです

では、「報連相(ほうれんそう)」は無用なのか?と言うとそういうことではなく、情報伝達のベクトルを少し工夫してみる必要があるようです。
小生は、勉強会や自分の銀行では「案相連報(あんそうれんぽう)」を勧めています。
つまり
「立案の案(あん)」・・・・少しだけ考える
「相談の相(そう)」・・・・5分考えて「わからない」「答えが出ない」ことがわかったら、上司や仲間に相談 (下から上に)
「連絡の連(れん)」・・・・相談して出た答えを、同僚やお取引先(お客)に伝える (横に)
「報告の報(ほう)」・・・・連絡して対応した結果を相談者に報告する   (下から上に)
という情報の流れです。

ここで肝心なのは、5分だけ考えて(注:長く考えたらだめです)、「自分なりの答えを出す」か「わからない」と言うことを知ることです。
知ったかぶりやシナリオを考えない相談は解決になりません。
また相談には謙虚な姿勢が大切です。
腹に座った理解がないと人に伝えることもできません。

情報のベクトルが上下横向きにキャッチボールされることが大切です。
それがいわゆる「風通しがいい」と言う企業風土を生むのではないでしょうか。

もしあなたが上位者(上司)なら、
「あれはどうなった?」「どうしてそうなるの?」という問いかけも必要です
最近の企業不祥事でのトップの会見を見ていると、私は「聞いていない」とか「報告を受けていない」と言うお話が目立ちます。
「あなたはどうして尋ねなかった(聞かなかった)のですか?」と切り替えされたらどう答えますか?
経営トップなら、ビジネスの状況を見聞きするのも大切な役目です。

また、トップだからこそ手に入る情報もあります。そういう情報を部下の方に伝えていらっしゃいますか?
全社一丸となって情報や作戦を共有し、ビジネス目標に向かっていく企業風土が必要ではないでしょうか。

ある時、病院の理事長の集まる勉強会でこの話をしたら、
ある有名な病院の理事長から「実は、最近、私の病院はムードがよくなり、看護婦さんたちが和やかになったと感じていたのですが、今日その理由がわかりました。 先日、事務長が退職したのですが、彼は、事あるたびに『ほうれんそう、ほうれんそう』と言っていました。。。。。」と私の話に感想をおっしゃったのは偶然ではないような気がします。


cf.
どこかのHPにはこのように書いてありました。
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「報告」は上司の指示に対する正規の報告を意味し、「連絡」は同僚や関係部署などの間で交わされる情報交換・情報共有、「相談」は迷いや困ったことがあったときに上級者や専門家に相談し、相談を受ける側も親身に話を聞くことをいう。

 山種証券(現・SMBCフレンド証券)の社長だった山崎富治氏が1982年に始めた社内キャンペーンがオリジナル。ほうれんそう運動を実行するに当たり、山崎社長は掛け声だけに終わらないようにと、毎月1日を「ほうれんそうの日」としてメッセージ付きの生のホウレンソウを1束ずつ全社員に配ったという。

http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/horenso.html
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