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かくして「地域振興券」は失敗した  (定額給付金を成功させるために。。。) [少し政治的な話を。。。。]

かつて地域振興券という景気刺激策がありました。
1999年(平成11年)のことでしょうか。。。。
正直に言うと、それなりに有効な政策ではないかと思えたものです。

ただ、結果から見れば、評価は芳しくないようです。
なぜでしょうか?
理由は
1.消費拡大と言う景気刺激策なのか、経済的弱者救済のための社会政策なのか不分明であったこと
 やはり、消費刺激といいながら、いわゆる「バラマキ」に対する忸怩たるものがあったようで、
 受取り側は、
 ①お年寄り
 ②子供
 に特定されてしまいました。
 そういうこともあり、お金の使い道が狭いものになってしまったようです。

2.使用(流通)期間が6ヶ月と長期にわたったこと
 もし、使用(流通)期間が、土曜日から一週間後の日曜日までの9日間だったらいかがだったでしょうか?
 「地域振興券」をもらった皆さんは、期限切れになるのを恐れ、いわば狼狽気味にわれ先にお使いになったのではないでしょうか?
 実際には、6ヶ月間でしたから、毎日1,000円づつ小刻みに日常生活の消費(買い物)にお使いになったのです。
本来なら、お財布の中から出て行く1,000円札の変わりに、「地域振興券」20枚が順番に使われる結果となってしまったのです。つまり、20,000円をお使いになる順番が先送りされただけだったのです。

3.1,000円券20枚での配布であったこと
 もし、10,000円×2枚 または 20,000円×1枚 の配布であったら皆さんいかがされたでしょうか?
しかも、お釣りは出さないと言うことであったのなら、否が応でも、皆さんは一度に1万円または2万円を使い切ってしまわなければいけません。消費刺激であれば、そういう大胆さも必要だったのです。

4.その地域でしか使えなかったこと
 その地域でしか使えないという制約もあり、山間部などのお店の少ない地域では、本当に使いにくかったようです。
ですからこの地域では、日用雑貨店での日々の買い物にしか利用できないものとなってしまったのです。
おじいちゃんやおばぁちゃんは都会に住むお孫さんにプレゼントしたかったかもしれません。

5.商店等、「地域新興券」を受入れる側の販売戦略ができていなかったこと
 当時、商店等「地域振興券」の受入れサイドでの準備がほとんどなされていませんでした。「ぶんどってやろう」と言う作戦・戦略が見受けられませんでした。

たとえば、
①おじいちゃん+おばぁちゃん+子供+子供=40,000円と言うご家庭もあったはずです。ファミリーセットと言うお考えはなかったのでしょうか?

②おばぁちゃんとお孫さんの「パジャマセット10,000円コース」と言うような売り方はなかったのでしょうか?

③ホテルのレストランとかでは「おじいちゃん・おばぁちゃん主催のファミリーランチパーティー」などという企画はなかったのでしょうか?
 ファミリーで食事をしながら、
「〇〇ちゃん」の結婚式はこのホテルでしようねとか、
「おじいちゃんの古希のお祝いはこのレストランに来ようね」とか、
ふだんはあまり来店したことのない人や「敷居が高くて。。。」と尻込みしている潜在顧客の人たちを呼び込んで将来の顧客への種まきをされたのでしょうか?

④「+10,000円」というメニューはなかったのでしょうか?
「おじいちゃん分10,000円+おばぁちゃん分10,000円+へそくり10,000円で合計 5万円」にして買いたかった。
「おじいちゃん分20,000円+おばぁちゃん分20,000円+へそくり60,000円で合計10万円」で使ってもらったらいかがだったでしょうか?
電気製品等の高額商品を買ったり、「トイレやお風呂をリフォームする」きっかけを作ることとかも考えたら面白かったのではないでしょうか?

等々が挙げられるのではないかと思います。

つまり、政策の是非はさておき、その使い方・受入れ方を考えた対応ではなかったのではないでしょうか?
景気刺激策ならば、景気が刺激されるような政策の運営が必要です。
「施し」的な福祉・社会政策ならば、それなりの恩恵にあずかった人たちがいたと言うのも事実です。

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