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日本航空の会社更生法申請に期待する [少し政治的な話を。。。。]

昨日の新聞報道やNET配信記事によれば、いよいよ日本航空(JAL)は法定整理の方向で動き始めたようです

企業の倒産話を前に不謹慎ですが、日本航空の会社更生法の適用申請に大歓迎です

大歓迎の理由は
1.破綻しそうな東証第一部上場企業が再建に向けて向けて動き出した
2.破綻から再建へのプロセスの透明度に期待ができる
3.破綻企業のカムバックの良き教科書となる
4.銀行の責任と役割が評価されかつ明確になる
5.企業経営の緊張感が伝わってくる
6.今のままでは、資金の流失が止まらず、傷口が拡大してしまう
7.不安定・不透明な状況の継続は、必ずや航空機事故を生む可能性がある
8.乗客の日航離れがますます進む
と言ったところが主なものです

小生は、会社更生法適用会社とお取引した(融資した)ことがあります
その会社は、会社更生法を適用した結果
1.ファジー(いい加減)な役員や社員が追放された
2.無駄な支出が削られた
3.破綻して各方面に迷惑をかけたとの雰囲気が醸成された
などなど、はたから見ても、ピリリとした緊張感のある企業になり、申立後10年で見事、更生債権を完済し、更生計画を終結しました

そして優良企業に変身していきました
倒産前の融資を担当した上司などはいつまでもいい顔をしていませんでしたが、企業が立ち直り、税金を払い、社員さんにも笑顔が戻ったことはとても喜ばしいことです

言うまでもないことですが、融資がカットされた金融機関が一番の被害者だったのです

ところで、マスコミの報道を見ていると、やや的外れなご指摘のようなものがあるようです
1.東証上場を維持したままで「会社更生法適用申請」を行う
これは、禁じ手ではないかと思います
本来なら、株式は100%減資した後、新規増資を行うのが適切だからです
上場したままであれば、株主は完全には減資されず、
①株主責任が曖昧になる
②政府支援(税金投入)により株価が改善した際には、極めて不公平な結果となる
からです

そもそも上場しているかどうかで利用度が大きく変わるとも思われません その証拠に、皆さんは、外国の飛行機に乗るときその会社が上場されているかどうかとかお確かめになりますか?

2.航空機が差押えられる可能性がある
これは「詐害行為」として取り消される可能性があり、まず差押えは発生しないと考えられる

3.運行障害がおこり世界中で大混乱が起きる
①事前にアナウンスすること
②ストで数日運休することもある
ことを想起すれば、心理面以外には、混乱は生じないはずである

4.現金取引を求められる
会社更生法適用後の貸出は、新債(新しい貸出)として、裁判所の許可のもとで行われ、優先弁済が受けられるはずである
(この部分こそ、政府資金を投入するか政府保証をつければよい)

5.経営の無駄が縮減される
花形職業であるからこそ無駄も多かったはずですが、「会社更生による再建」の旗の下、社員の皆さんも変わらざるを得ない

6.できの悪い役員を排除できる
ここまで経営の操縦桿を握ってきた役員の皆さまには退場していただける(操縦席から降りていただける)
方々、経営責任を追及することもできる

7.年金減額問題が決着する
OBの皆さまも理解せざるを得ない

余談ですが、日航の人の話では、年金減額交渉のためOB宅を訪問すると、「周囲から、みなさんはそんなに豊かな年金生活を送っていらっしゃるのですか・・・・・と白い目で見られるのが辛い」とおっしゃる方々もいらっしゃるらしいのです

8.運行が安定し、事故・大惨事の不安が薄れる
やはり経営ぶりが不安定であれば、運行オペレーションも浮足立ってきます
一区切りつくでしょう。。。。。。

9.8つある労働組合も整理統合が進む
JALとJASの合併によることあってか、なんでも労働組合が8組合もあるらしいのです
もう少しスリム化して、再建に協力してほしいものです

すべて杞憂に終わるのではないかと思います

さてさて、マスコミ(1月8日(金)日経新聞朝刊)によれば、
取引銀行である3メガ銀行のシミュレーションには
▼目的地に行けない、日本に帰れない。1日平均1000~2000人強の欧州線利用者の大半がアフリカを含む現地で足止めも
▼他社便への予約変更ができず、航空券の再購入が必要に
▼手荷物が受け取れない
▼ジャルパックのツアーがキャンセルに……
などの事態が想定されているらしいのです

3,000億円超と言われる債権放棄額をより少なくしたいという銀行筋のオーバープレゼンスが窺われる
おそらく、銀行役員等の責任希薄化も意識したものと思われる

また、アメリカの有力航空会社アメリカン航空及びデルタ航空が、日本航空への出資に意欲的であることを見れば、日本航空の魅力は「会社更生申立」くらいでは揺るがないことが想定できる

そういえば、ビジネスマナー講座の講師をなさっていたスチュワーデスの皆さんのノウハウは、つまるところ、魅力的なものではなかった・・・・・日本のCS(Customer Satisfaction顧客満足)活動のあり方にも影響を及ぼすかもしれません

なにはともあれ、経営の失速が飛行機の空中での失速を招かないように、国民みんなの暖かい目で見守りたいものですね

[本]「日本航空は会社更生法が似合う(「倒産循環」から抜け出そう!)」
http://beniha.blog.so-net.ne.jp/2009-09-15-5

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イーピー

法的整理になると上場廃止?投資家が持っている株は塩漬けになるのですか?減資となると持ち株数が減ってしまうのですね?
by イーピー (2010-01-10 18:07) 

beni_ha

イーピー様

小生の回答で意を尽くすかどうかはよくわかりませんが、本日の
日経新聞(100110)に載っていた部分を転記しながら、小生の意見をお話しましょう

「機構は日航が巨額の債務超過に陥っているとみており、株主責任を厳格に問うため100%減資して上場廃止にする案を主張」
「会社更生法の適用を申請した企業が債務超過に陥っていれば、通常は100%減資して上場廃止となる」
東京証券取引所の規則では、厳格な再建計画を策定した上で「100%未満の減資にとどめるなど、一定の条件を満たせば上場を維持することが可能だ」

というようなことが書いてあります

小生の意見を申し上げますと、(明日の記事にも書きますが)
①株主は資本家であり、日本航空の経営について責任を取らなければいけない
②株式投資は自己責任で行うもの
③今回、たまたま投資された日本航空の業績が悪化した
④日本航空には政府も強く関与しており、多額の税金も使われる可能性がある 一部の株主の利益となることは著しく不公平である
と言えます

そもそも「会社更生法」は企業の再建を目指すものであり、経営者、従業員、資本家、債権者は、責任を取ったり、権利を放棄せざるを得ません

そのため、株式は100%減資するのが一般的です

会社更生法の適用は、負債等をスリムにすれば、その事業・ビジネスが再生する見込みのある企業を法的に救済するものです

なお、債権がカットされても保証人になっていた方の保証債務は減免されません
企業を経営したり、企業に出資するということは期待がある半面、大きな責任や義務があると言えます

小生が会社更生を強く主張するのは
①日本航空は、社会的に意義のある国策企業である
②国家的な支援、税金投入も不可避であり、そのため不透明な支援は避けなければいけない
③日本航空は必ず再建できる
④今後の、東証一部上場企業の再建手法のモデルケースとなる
等の理由によるものです

(参考)
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20100110AT3S0901509012010.html


by beni_ha (2010-01-10 21:04) 

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