SSブログ

ゆうちょ、かんぽの限度額引き上げでわかったこと [少し政治的な話を。。。。]

先日、ある生命保険会社の役員氏とお会いしました

氏いわく
「ゆうちょの限度額引き上げで、金融機関も大変になりますね 特に、信用金庫、信用組合のように規模の小さなところでは深刻らしい・・・・」と

小生は、
「意外とそうでもない ゆうちょに預けた資金(集めた資金)を、金融機関に貸出の委託(こういうのを「代理貸付」といいます)をすれば、資金不足の問題はなくなるし、貸出ノウハウのないゆうちょにとっても恩恵があると思う」と答えておきました

小生より
「それよりも、生保業界のほうが影響が大きいのでは?
かんぽも、生命保険会社というよりは、世界最大の保険代理店となるのではないのか」
と尋ねたところ

氏いわく
「ゆうちょはまだまだ体制ができておらず、小口中心であるので不安はない」
とのことでした

保険会社の役員氏の回答には、どうも胡散臭さが残ってしまいます
いわゆる保険のおばちゃんや、最近はやりの保険ショップは大口ではありません
したがって、見事にかんぽとぶつかってしまいます
かんぽ生命が自社開発の保険を売る限りにおいては、小さな保険ショップの焦りは目には見えてきませんが
もし、郵便局が大手生命保険会社や損害保険会社の保険商品販売の代理店として販売に乗り出せば、その影響力は測り知れません

特に最近の保険商品は、
ネットが一部では好評なものの、まだまだ面談型(対面型)の販売商品です
それどころか、最近は面談型の方が安心感があるともいわれ始めています
そうやって考えたら、フレンドリーな雰囲気の郵便屋さんが保険を売り始めたら脅威です大口でないだけに、
①よく来てくれる
②優しい
③何かと世話になる
という切り口が強みになってしまいます

今回のゆうちょ関係の限度額引き上げの議論の中で明らかになってしまったことがあります
それは、
1.信用金庫や信用組合のような小規模金融機関は、経営基盤(財務基盤)が弱い
・・・・つまり、何かあれば行き詰ってしまうような状況のままに放置されているということです ものづくりや販売と違い、お金を通じて信用創造を行っている金融機関の経営体質が不安定なままであるということは大きな問題です
何かあれば、取り付け騒ぎ等につながる余地があるということです

2.交換条件として「預金保険適用限度額の引き上げ」も、規模の小さな金融機関には不利になってしまう
・・・・・つまり、預金保険の適用限度額が引き上げられたら、1,000万円を超えた預金をお持ちの方々の資金は、メガバンク等信用力の高い方に戻ってしまい弱小金融機関の預金が吸い上げられてしまいかねないことです

3.実は、今は、本当に貸し出しが伸びていません(優良企業は、いわば『借り渋り』状態です)・・・・・したがって、貸出業務も重用ですが、集めた資金の運用ノウハウを磨く必要があります
貸出業務のスキル・質をあげていくことができたらいいのですが。。。。

4.ゆうちょ資金による日本国債購入への風当たりが強いですが、他の運用で成功するという保証はありません
・・・・・株式や外国債券などのほうが運用リスクが高いのは言うまでもありません
ハイリスク・ハイリターンとはよく言ったもので、リターンの多い運用が長続きしたのを見たことがありません

5.もし、「民営化していたら」と考えたらぞっとします
・・・・・組織や業務の内容、従業員の勤務の実態などが不明確だからです

小生は、いわゆる「ゆうちょ問題」については、規模縮小が先だと思います
組織の強化をせずに、肥大化していけば、いつか破綻してしまいます
日本の金融機関は保守的なくらいがちょうどいいのです


※お花見の光景

景気がいいとか悪いとかということよりも、みなさん楽しそうです(22年4月3日 砧公園・馬事公苑周辺)


RIMG0286.JPG

RIMG0284.JPG

RIMG0287.JPG
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0