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デフレとかデフレスパイラルの心配よりも、今やらなければいけないこと [裏づけのない経営学]

昨日、4月6日は朝から暖かい日でした コートを着てきた部下が、「失敗した」と悔んでいました
そんなに暖かい日でした

ただ、駅に向かう早朝の道すがら気になったのは、道路端のマンションのエアコンの室外機が「ウンウン」と音を立てているお宅が何軒かあったことです 
日陰で部屋が暖まっていなかったのかもしれません あるいは 病人の方がいらしたのかもしれません
詮索するのはよしましょう

我がオフィスもエアコンが効いていました
地球温暖化対策とか経費節減とか言う割にはルーズなものです

さて、エコノミストの方やマスコミの論調は、「デフレあるいはデフレスパイラル」が問題なのだそうです

小生が解説するまでもなく
デフレ      ・・・物価が持続的に下落していく経済現象を指す
デフレスパイラル・・・「モノが売れない⇒価格引き下げ⇒利潤の減少⇒企業収益の悪化⇒賃金の減少⇒モノが売れない」という悪循環
のことです

ところで、このデフレが経済に大きく悪影響を与えているのでしょうか
消費者は、要らないものは買わない 品質のいいものが安ければ買う という賢い消費者を実践しています
国民生活上、どこかに悪いことがあるのでしょうか?

確かに、企業収益が上がらないのは問題です
しかしながら、「研究室の中」で的な経済分析が果たして正しいのでしょうか?

たとえば、4月6日の読売新聞の夕刊には「CT診断を格安・中国へ下請け」という記事が目を引きます
記事によれば「CTなどの診断を外部に依頼した場合、日本国内では1件当たり3000円前後が相場なのに対し、700~900円で請け負う」ということのようです

日本という温室のような閉鎖社会で見れば、デフレへの対応策も単純なのかもしれませんが、国際ビジネスの中では通用しません

景気が悪く(失業も多く)、雇用が不安だと再三マスコミは指摘していますが、探せば仕事もあるのではないでしょうか。。。。。このCT診断は資格云々の問題もあるのでしょうが、日本社会全体では、定職がなく働く意欲のある方々には仕事の場所はもっともっとあるのではないでしょうか


今の日本の経済の状況を考える時、
1.国際ビジネスとの競争を無視したデフレ論争であること

2.今まで円高の恩恵を受けていた部分も多分にあるが、じりじりと円が安くなり始めていること

3.資源価格が微妙に上がり始めていること
・・・・リーマンショックの影に隠れて忘れられ始めていますが、当時は資源高が継続していました
国際的に景気がよくなると、また資源高の恐怖が押し寄せてきます
ガソリンだって、じりじりと上がり始めました

4.「楽で給料が高い」仕事を求めるような失業者へのコメントが同情的であること

5.日本とは比べ物にならないような諸外国の人種・民族差別と所得格差が存在すること

等々について、マスコミやエコノミストの皆さんのような博学で専門家の方々はもう少し平易に説明してほしいものです

もうすぐ3月期決算の状況が報道され始めると思います
たぶん、思った以上に景気(企業業績)は良好なはずです
原因や事情はよくわかりませんが
1.倒産が少ない
・・・・・ひょっとしたら、亀井さんが提唱した金融モラトリアム法の効果なのかもしれません

2.3月期末の決算対策(利益の先送り=節税)をなさった企業も多いはずです

マスコミの論調に惑わされることなく、今こそ「企業力」を強くする努力と工夫が大切です
たとえば
1.人材の育成手法の検証
・・・・・・景気がよかった(中国がここまで台頭していなかった)時代のコンサル任せのやり方ではないですか?

2.商品力の検証
・・・・・・景気が悪いから売れないのではなく商品が悪いから売れない(誰が買うのか使うのか)という検証が必要です

3.販売・製造手法の検証
・・・・・・これだけ時代も世代も変わっているのに、変化に合わせた手法かどうかの検証が必要です

ただし、基本は変わっていないことは踏まえておいてください
ここ10年ほど基本が歪んでいたルールややり方が多くなってしまったのも事実です


 


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伴睦

「モノの値段」と「給料」は時代の流れと共に上がるものだと決め付けて来た我々にとって、この「デフレ」を頭の中で理解するには少し難があります。

1976-78年に米国におりました。
当時、変動相場に移行して4.5年で、1ドル=330円程度であったと思いますが、20ドル紙幣が1万円札の感覚でした。
ガソリンが、ガロン32セント(当時円換算でリットル28円)
自販機のコーク(日本より量が多い)が、25セント(83円程度ですが、これは日本の方が安かったような)
たばこは、(これは生産州でもあったため)最安値を探せばパック60円程度(「ラーク」1パック)
「ビックマック」は、確か、税込み98セント(320円程度で日本より高かったが、デカイ!)
3000ドル台で買える新車は日本車のみで、当時、フリーウエイで10台走っていたら4台が「ホンダ・シビック」で残りの内3台が「DATSUN B210(サニー)」なんて実しやかに言われてました。

こんなことを思い出しながら、今の為替(ドル=90円)と物価上昇率を勘定してみたらどうでしょうね。

1983年頃、日本国内の乗用車は一斉にフルモデルチェンジされました。日産もトヨタも三菱もマツダもいすゞも各社1400-1800ccクラスの車は全て200万円台突入となりました。
それまでは、スカスカのエンジンルームがびっしりと装備され何もかもが電動となって我々をワクワクさせてくれました。
しかしながら、今冷静に考えると、その後直面する急速な円高で日本の自動車輸出産業は途方も無い努力を強いられた訳ですね。

80年代後半のバブル時は、「一生涯、家や土地は持てない」とか言いつつも、世の中は随分と贅沢になっておりました。
特段、収入が大きく増えた訳でもないのに巷の雰囲気に酔っていた感がありましたね。
ただ、円高のよって今まで手に入らなかった高級品に手が届くといった錯覚が我々をウキウキさせてはくれました。
酒屋で1万円以上していた洋酒が軒並み2-3千円になって、飲み屋では国産ウイスキーしか飲まなくなったり、国産たばこが200円以下の時期、見栄で高い洋モク吸ってていたのを辞めたり、とそれなりに「モノの値段」というものに反応して来ました。

30数年の時の流れですが、私はどうしても、280円のお弁当を有難がって戴く気にはなれないのは何故でしょう?
by 伴睦 (2010-04-07 17:24) 

beni_ha

伴睦 様

お久しぶりです
そして、コメントありがとうございます

答えになっているかどうかよくわからないのですが
少し私見を述べておきます

今、280円の弁当とか、価格の安い商品が普通に好まれる状況は
1.イノベーションを知らない世代が一般的になった
つまり、
①生まれた時からカラーテレビがある
②自家用車も普通にある
③大学に行くのが当たり前
④ファミレス等普通にフルコースっぽく食事が食べられる
⑤毎日お金を使う
というような、生活環境の変化が大きいのではないでしょうか

こんな生活には、
①感動
②悔しさ
③憧れ
等々の色彩が弱くなってしまいます

2.280円の弁当などのように低価格品であっても、相応の水準は維持されている
ということの影響があります

満たされている世代には、相応の水準であれば、大差は感じないものです おなかいっぱいの人に、これは美味しいから食べろ!と言っても、感動や味の違いはわからないものではないでしょうか

3.コンビニの一般化も一因かもしれません
雑巾ですら買う時代です
何でもかんでもお金で買えるのです
「ないから作る」というニーズは少なくなっています

「弁当男子」などという言葉もありますが、彼らは「ないから作るのではなく、作ることのささやかな喜びを感じている」のでしょう
おそらく、一昔の世代なら「恥ずかしい」という言葉のほうが優先していたはずです

しかも、日本のコンビニは昭和50年代の初めにスタートしたと思いますが、すでに30年以上経っており、各世代にわたり、コンビニ消費(生活)に違和感がなくなっているのではないでしょうか

コンビニエンスが普通になってしまいました


70年代後半のアメリカはさぞかし素晴らしかったのでしょうね
イノベーションのトップランナーの国ですから、見るものすべてが感動の産物だったのではないでしょうか

小生は最近のアメリカのことはよくわかりませんが
当時なら、そういう光の中にも、黒人とか移民の方々がアメリカという国の繁栄を下支えしていたのではないでしょうか

映画館でも10セント位のチップで、座席まで案内してくれるような仕事があったのではないですか?

最近では日本でも一般的になってきたセルフのガソリンスタンドにも哲学があったようですね
日本では価格を下げるためだけの工夫のようですが
アメリカでは、
①この程度のことは自分でする
②老人にはお手伝いが要るし、これからパーティに出かける人は手が汚れるのが嫌なのでフルサービスを求める
等々、サービスやモノへの使い分けがあったのではないでしょうか

今の日本では、いろいろなことに価格差が品質差になっていないところに問題があるようです
ですから、人為的に値上げをしたとしても、価値の遷移がない限り好評は得られないのではないでしょうか

ですから、価格は上がらないのです
中国製の洋服と日本製の洋服に価格差に応じた品質差がない限り、単なる値上げにすぎないので消費者の支持は得られないというのが実態なのではないでしょうか

280円のお弁当に価格差を感じられるほどの付加価値を見出さない限り、高価格化は期待できないのではないでしょうか

怖いのは、意図しない値上げです
日本にない資源価格の値上げ等が一方的に起きてしまったら大変なことになってしまうのではないでしょうか

最近のエコノミストの方やマスコミの論調の多くは、机上の空論のような気がするのは小生だけでしょうか
by beni_ha (2010-04-08 04:40) 

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