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デパートのお菓子売り場と領収証と法人税減税 (消費税を増税する前に) [裏づけのない経営学]

時々、デパートの食料品売り場でお菓子を買います
個人的なお土産などに使うものです

その時、店員さんから必ず聞かれることがあります
「領収証は要りますか?」ということです

事情がよくわからなかった頃は、「要ります」と答えていました
そうすると、「宛名はどうしましょうか?」と聞かれ、手間のかかった立派な「領収証」を付けてくれます

小生は、サラリーマンですし、個人用ですから領収証は不要です
てっきり、「領収証=レシート」のことだと思っていましたが、デパートでは、領収証とレシートは使い分けられているようです

先日もまた店員さんから「領収証は必要ですか?」と聞かれたので、
小生より「僕は要らないけど、領収証をくれという人は多いの?」と聞いたところ
店員さんは「多いんですよ!」との答えでした

ではなぜみなさんは「領収証」を貰われるのでしょうか?
1.事業用のお買い求めである(企業としての消費)
2.事業用なら経費で落とせます
3.経費で落とすと利益が減ります(利益が減らせます)
4.利益が減れば、税金を払わなくてもいいのです
5.利益が出た時の税金は、法人所得税です 実は、消費税も仕入控除等の適用部分があります

不思議です
国税庁の資料によれば、黒字企業は、全企業の約3割です
つまり、利益が出て法人税を払っている企業は3割しかないのです
※平成20年6月末 黒字申告割合32.3%

それにもかかわらず、かなりの人が領収証を受け取っています
もちろん適正な経理処理には必要なのだと思います

今、法人税減税が声高に叫ばれています
「法人税を減税し、消費税を増税する」ということとセットのようです
こうなると、企業は(事業をやっている人)は、利益が出たことによる税金=法人所得税は減り、かつ、消費税も仕入控除等で軽減されています
つまり、税金は、今まで以上に払わなくていいのです
これでは利益が出てします
①製品や商品の価格を下げるのでしょうか?
②従業員さんの給料を増やしてくれるのでしょうか?
③設備投資とか企業力の充実に費やすのでしょうか?
④預金を増やしたり、借金を返したりするのでしょうか?
⑤役員の方々の報酬を増やすのでしょうか?

一方、サラリーマンや年金生活者は
給与や年金が増えない限り、消費税負担だけが重くのしかかってきます
法人減税がなされた結果、ものの値段が安くなればいいのですが、「デフレはよくない!」というエコノミストの見解が主流の世の中にあっては、モノの値段を下げてはいけないのです

サラリーマンや年金生活者は、「ものを買うな!」とでも宣告されてしまうようなものです

レストランや食堂でもよく見かけます
普通のおじさんやおばさんが、家族で食事されたような分まで領収証を貰っておられる姿を!
彼らは、いわゆる中小企業の経営者さんたちなのでしょう
家族の飲食を経費で落とすばかりでなく、消費税ですら納めていないかもしれません

デパートのお菓子売り場で、領収証がいるほど企業はお菓子を買いまくっているのでしょうか?
もちろん、消費行為は個人だけのものではなく、企業がモノを買う部分の効果の方が消費の盛り上がりには必要です
ただ、総論だけで議論をしていくと、なにか閉塞的かつ不公平なことが起こりそうな気がします

[本]参考
「法人税実効税率を20%台に…読売経済提言」(2010年5月7日04時45分 読売新聞)
◆法人税の実効税率=国税と地方税を合わせた、企業が実質的に負担する税率。日本は40.69%と高い。欧州は30%前後、アジアは25%以下。米国は連邦税35%に、州ごとに地方税を加算する方式で、最高水準はカリフォルニア州などの約41%、最低水準はネバダ州などの35%。

[本][本]国税庁資料より
申告法人数に占める利益計上法人の割合(平成19年)
札幌国税局管内  29.9%  (法人数  110,898社)
仙台国税局管内  32.2%  (法人数  147,491社)
関東甲信越管内  31.3%  (法人数  336,477社)
東京国税局管内  31.5%  (法人数  814,230社)
金沢国税局管内  33.0%  (法人数   60,387社)
名古屋国税局管内 33.4%  (法人数  291,764社)
大阪国税局管内  34.3%  (法人数  413,034社)
広島国税局管内  30.9%  (法人数  139,911社)
高松国税局管内  27.3%  (法人数   77,374社)
福岡国税局管内  36.2%  (法人数  117,728社)
熊本国税局管内  33.2%  (法人数  100,103社)
沖縄事務所管内  38.4%  (法人数   17,764社)

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