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企業はどうして倒産するのか?…その2 (人の一生と企業はどこが違うのか) [裏づけのない経営学]

昨日は、人の一生を、経済的な側面から見てきました。
実は、人は元気で、辛抱強くまじめに働きさえすればなんとか暮らしていけるものです。

体調が悪かったり、
遊びに夢中になっていたりすれば、お金はいくらあっても足りません。

さて、企業はどうでしょう。
人の一生によく似ていますが、「企業には卒業とか死という言葉はありません」
倒産を「企業の死」だという方がいらっしゃったらそれはニュアンスが違います。

もし、企業倒産が「死」だとしたら、人のようにお葬式をすればそれで終わりです。
ご遺族は、相続するか相続放棄をすればいいだけです。

企業の場合は、倒産しても借金や未払い金の弁済が待っています。
完済できないのなら、破産して「一文なし」になるしか道はありません。
企業経営者のご家族は路頭に迷ってしまいます。

倒産は「企業活動をネガティブに止めることです」または「止めざるを得ないことです」

では、ステージに区切って見てみましょう。

0.胎児期(妊娠時代)
人の場合、親御さんは、赤ちゃんが生まれるまでに、着るものとかお布団とか遊び道具とかを準備し、いろいろ期待を馳せるものです。
・男か女か、名前はどうしようか。
・こんな風に育てたい。
・こんな職業に就かせたい。
等々、期待でいっぱいです。
しかし、生まれた瞬間は、「母子ともに元気で生まれたか!」かどうかに頭が切り替わってしまいます。

企業なら
十月十日(とつきとおか)もかからずに、かつ、お金がなくても起業はできます
今は最低資本金の規制がなくなり、資本金が1円でも会社を作ることができます。

会社を作ったら、
①こんなビジネスをしよう。
②こんなものを作ろう。
③こんなものを売ろう。
という青写真を描き、資金の準備をしたり、スポンサーを探したりなさる方々も多いのではないでしょうか。。。
でも、この胎児期に実は会社の実力のかなりの部分が決まってしまいます

すなわち、
①ある程度の自己資金があるか。
②売れる製品・商品はあるか。
ということがポイントです。

人間のように「親はなくとも子どもが育つ」というわけにはいきません。
とりあえず「赤ちゃんを産んだら何とかなるさ!」というほど起業は気ままなものでもありません。

1.誕生期(子供時代)
創立パーティーの時、「右も左もわからない生まれたばかりの会社です。みなさん応援してください!」などとご挨拶される方もあるかもしれませんが、この言葉を言った瞬間から、「この企業は起業してはいけない企業であった」ことを自ら証明してしまうようなものです。

なぜかというと、会社の歴史は浅くても、ビジネスの現場には、老舗も新参者もないからです
あるとしたら、
①できたばかりの会社だというエクスキューズ(言い訳)。
②消費者から受け入れられる製・商品。
があるだけです。

そして、経済的な面では、モノが売れるまではお金は入ってきませんから、仕入れ代や人件費や光熱費や事務所費等々の企業運営上の基礎資金が必要となってきます

支払いが先行することに備えて、起業までの間に資金を準備してあれば困ることはありません
①せめて1月分の支払い資金が必要です。
②もし、ものが売れて代金回収が行われるのに数カ月かかるとしたら、その数カ月の支払い費用分だけでも事前に資金が必要なのです。

「黒字倒産」という言葉があります。
たとえ販売に成功しても、お代金を数ヵ月後で貰うことになったら、足元の支払い資金がありません
バランスシート(貸借対照表上は黒字が出ていたとしても、資金繰上は赤字が発生してしまいます(お金が不足する)。
起業してほどなく、企業は黒字倒産の不安に直面してしまいます。

あるいは、売上代金を手形で受け取ってしまったら、
①手形の期日まで待つ(一般的には3~6カ月かかります)。
②手形を金融機関で割り引いてもらう(割引料という金利がかかります)。
ことが必要になってきます。

企業は人と違い、生まれたばかりの子どものはずなのに、起業した瞬間から、経済的には試練が続きます

人の子どもは親が面倒を見てくれます。
企業には、名付け親とかアドバイス親はいますが、生み落とされた瞬間から独り立ちしていかないといけないのです。



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