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博多人形などの「博多のブランド」 (「地域ブランド」に思う【福岡編】) [旅紀行・県民性の謎]

先日、ある方から、「地域ブランド化」「地域ブランド戦略」についての照会があったので、小生の意見を少し書き留めておきましょう。

地域ブランドについては、

※経済産業省 北海道経済産業局 北海道知的財産戦略本部のHPに、

地域ブランドは、 ・それぞれの地域イメージ(景観、自然、歴史、風土、文化、素材など)と関連させながら、 ・製品・産品、サービスの開発や高付加価値化に地域全体で取り組むことにより、 ・一種の差別化された価値を生み出し、 ・その価値が広く認知され求められることで形成されます

と書いてあります。

小生は、短期間とはいえ複数の地方勤務を経験しました。
そこで垣間見た感想を書き留めてみましょう。

たとえば福岡です。

福岡では、
①博多人形
②博多織
③博多ラーメン
④辛子明太子
⑤博多祇園山笠
等々、たくさんの地域ブランドがあります。
おそらく、いずれも全国区のものだと思われます。

1.博多人形について

日本を代表する制作人形です。
有名な作家のものですと本当に高額です。

福岡の企業の事務所に行くと、ほぼ間違いなく、置物として飾ってあります。
何かの記念品としていただくこともあります。

かくいう小生も、ついつい買ってしまいました。
ただ、有名な作者の方は別として、「博多人形」のお取り扱い問屋の皆さんは(おそらく)ご商売的には今イチの状況だと思います。

「あまり売れない」というのが実態ではないでしょうか。。。。

当時、博多織の業者の方と話していても、こんな話になりました。
①中途半端な置物は要らない
②「博多人形でなければいけない」という必然性がない
③狭いマンションや戸建てでは、飾るところもないし邪魔になる
④飾るなら、博多人形よりも、海外旅行の土産などのほうがいいかも

などと、地元の伝統産業の方でも、「なくてもいい」的な趣旨のご発言です。
かく言うわが家でも、その存在感は大きすぎます。

買った時に思ったのは、人形の値段もさることながら、ケースが大きくて値段が高いのには驚きでした。

2.博多織について

「博多織」と聞いて、イメージが浮かぶ方はいらっしゃいますか?
着物の帯に使ってあります。

小生は、今でも、「名刺入」や「ネクタイ」を愛用しています。

特に「献上」柄には、気品もあり、バックとかお財布等々、若い人にもオシャレなアイテムになることは間違いありません。

ただ、
①着物を着る人も機会も減った
②求評会(展示会)などにお邪魔しても、着物関係者が大半
等々の状況で、一般人を寄せ付けず、売上拡大にはとてもつながらないようです。
伝統産業を担う織物業者の皆さんの経営も必ずしも楽ではないようです。

小生なら、地元の大学生(特に女子大生)にご協力を頂いて、博多織を生活やファッションに活かすコンテストでもしたいところです。
使い道がないのに、「地域ブランド」という美名のもとに伝統産業を大切にしようとしても、ビジネスとして生きながらえるのは難しいでしょう。

感想的に言うなら、「献上柄」は美しくオシャレな柄なのに、着物を着る人(どちらかというとお年寄り)を対象にしてしまっている感じがしますので、買い求めるにはやはり勇気がいります。

3.博多ラーメンについて

博多の屋台や長浜地区のラーメン屋さんが有名です。
でもでも、ここまで全国区になると、別に地域ブランドと採り上げることもないでしょう。
「長浜」ラーメンというのは、てっきり滋賀県のラーメンだと思っていました。

福岡で食べなくても、どこでも食べられるし。。。。。ということもあるかもしれません。
一緒に食べる小ぶりの餃子のほうが美味しかったりします。

4.辛子明太子について

地域ブランドというよりも既に全国区。
コンビニのおにぎりとかにも入っているので、高付加価値が付けにくくなっている。
時々ネットで取り寄せていますが、お徳用ばかりです。

ただ、お菓子に混ぜたり、和え物があったりとかで、商品に広がりがあるのと、
スパゲッティにもできる応用範囲の広さがあるのがいいですね。

地域ブランドというよりも産業として定着しています。

5.博多祇園山笠について

博多の男のお祭りです。
十分全国区ですが、やっぱり「踊る・・・・に見る・・・・・」と言います。
参加しないと楽しくありません。
しかも、そこで暮らしてないと実感もわきません。
祇園太鼓や掛け声とともに生まれ育った人でないとなかなかその良さが伝わってこないかもしれません。

見て楽しむのなら、高知の「よさこい」のほうがいいかもしれません。

福岡は十分都会です。
条件が良すぎて「地域ブランド」が埋没しやすいかもしれません。

札幌同様、転勤族や単身赴任の人の憧れの地かもしれませんが、「心のふるさと」と思うようになるまでは時間がかかってしまいます。

かつて「○○の小京都」という言葉が流行りましたが、福岡や札幌は「リトル東京」なのだと思います。




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