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保険業界の「合理化」を望む [保険の話]

一定の規模と知名度を持ったビジネスの中で、
①旧態依然としている
②無駄が多い
ビジネスと思われるのは、やはり「保険」業界ではないでしょうか。。。。。
仕事柄、いろいろなご商売の方々とお話をしてきましたが、「変」というよりも「あきれてしまう」という感じがします。


昨日帰宅すると、ある生命保険会社からの文書が届いていました。
封筒には、宛名は書いてあるものの住所は書いてありません。

郵便受けに入っていたとのこと。

封筒の表には、「親展 担当者変更のお知らせ」と書いてあります。
・お住まいの地域を担当している
・保険証券と一緒に保管してください
・お客様のアフターサービスを担当させていただくことになりました
・所属の営業所
等々、いろいろなことが書いてあります。

私の場合は、職域で契約しており保険料も給与天引きになっています。
数か月前にも、この保険会社の方から、「ご説明したいことがある」とのお電話をいただき、オフィスに男女二人の方がお見えになりました。

この時の女性の方がお代りになったのかと思いきや、そうでもないようです。
別の支社(営業所)の方のようです。

「担当が変わった」と言われても、前の担当の方も存じ上げません。
それどころか、その支社(営業所)が「私の担当である」ことすら理解できていません。

職場と自宅の2ルートで、いわば「勝手に担当」と言いながら、「相性または運の良かった担当者」が「担当としてお客様に選ばれている」ということなのでしょうか?


「個人情報の管理」「不払い」等々の深刻な問題が話題になる業界です。
にもかかわらず、おやりになっているやり方は、まさしく旧態依然それどころか「昔よりひどい」という感じがします。

特に、漢字で書く生命保険会社の仕事のやり方にはあきれてしまいます。

この営業スタイルは、「戦後寡婦」支援という社会的なテーマからスタートした部分があるにせよ、そろそろスタイルを変えてもいい時期ではないでしょうか。。。。。。。


よくよく考えてみると、

1.「死亡保険金をもらう人は少ない」のではないか

日本人は長寿です。
平均寿命まで大口の生命保険に入っていらっしゃる方は少ないのではないでしょうか。。。。
お年寄りのこんな声を耳にします。「葬式代だと。。。。。」


2.商品競争をしていないビジネス。

テレビではたくさんのイメージコマーシャルが流れていますが、商品の内容はよくわかりません。
なぜかというと、

①究極「死んだら貰える」という点には大きな変化がないからです。

商品価値が限定的な商品なのです。
言葉を変えていえば、「死なないとそのありがたみはわからない」商品なのです。


②コストのわからないビジネス。

・死差益(1年間に契約者が死亡した状況に応じて生じる損益)
・・・・損害保険は、「大きな災害があった」ということで業績の変化が顕著ですが、生命保険ではそういう話はあまり聞きません。
まだ保険料をあまり払っていないお若い方がお亡くなりになり高額保険金を受け取られるなら別でしょうが、長寿化のおかげで、多くの皆さんは保険料を受け取る前に解約なさるか、小さな保険金に変更されていらっしゃるはずです

・利差益(資金運用の結果生じる損益)
・・・・この低金利ですから、運用益は少ないのが一般的です。
特に、契約した時の利回り保証的な商品ですから、市場の利回りが反映されにくい商品です。
「銀行預金よりも利回りがいい」的な説明をよく聞きますが、この説明ほど胡散臭いものはありません。
・・・・銀行のように、「調達金利と運用金利の差」が明確ではありません。

・費差益
・・・・いわゆる経費の使い方によって生じる損益です。
人材コスト、パンフレットのコスト、立派なオフィスのコスト 等々、他のビジネスとは比べ物にならないほど無駄な部分が多いような気がします。
※この無駄こそが、雇用と景気を支えてくれているという反面はあります。

という損益の測定基準はありますが、不明瞭です。


③簡単に商品を取り替えられないビジネス。

どんなに新しい商品が出たとしても、
・年齢と体調によって保険料が決まります
・ある保険を解約して、新しい保険に入るためには、多くの場合、いったん二重契約をしないといけません
「解約したけど、新しい保険に入れなかった」とか「保険を切り替えている間に死んだ」というリスクが内在します。
したがって、保険を切り替える時は、「新しい保険の成立を確認してから古い保険を解約する」というのが大原則です。

こんなことが、どんなに新しくていい商品が出たとしても、保険を取り替えられない所以です。
「担当者が気に入らない」「保険会社に不満がある」と言っても、「嫌ならやめる」ということができない所以なのです。


④商品知識がない人が売っている。

保険に詳しい人は本当に少ないようです。売り手にも買い手にも。
「私は入っている」という人でも、どんな保険に入っているのかその内容をよく御存じの方は少ないようです。

しかも、死亡保険の場合、商品評価には自分は関わることができません。
なぜならば、自分が死んだ後もらうことが多いからです。
したがって、だれもコストや効果の検証ができません。(そんなに有意義なことでもありませんが。。。。)
※税制上の優遇を受けるためだけに保険を契約されている方は別ですが。。。。。


⑤医療の特約をつけていることで、死亡保険の不可思議な部分もぼやけてしまう。

通常、「セットで買うと安くなる」というビジネスは多いものですが、この保険だけは別のようです。
そればかりか、「セットで買うと身動きが取れなくなりやすい」商品です。

最初は、便利なようで、後々考えると非常に不合理なことが生まれてきます。
ちょうど「テレビデオ」のようなものです。

「テレビデオ」とは、「テレビにビデオがついている」便利なものでした。
かつては銀行の店頭などによくありました。

しかし、テレビが壊れたら、ビデオ部分だけを使う人はいません。
ビデオが壊れたら、テレビ部分だけを使うのも悔しいものです。
セットにすると実は使い勝手の悪い商品の典型例です。

「死亡保険」と「医療保険」をセットにすると、
・進化と変化が著しい「医療保険」が陳腐化しがちです。
・ライフスタイルが変わっても「生命保険」部分が保険料負担の重荷になってしまいます。


はた目から見ると、こんなに不合理な部分がたくさんあるようです。

「保険はお守り」という人が多いのも頷けますが、ただ、あまりにも手の込んだご商売ではないでしょうか。。。。。


職業に貴賤はありませんが、
銀行の仕事はその複雑さと求められる正確性にうんざりして辞めていく人も多いようです。
たぶん、保険の仕事は、商売の単純さと販売方法の単調さにうんざりして辞めていく人も多いのではないでしょうか。。。。。。

「鵜飼の鵜」を思い浮かべてしまいました。
確かに大切なビジネスではありますが、
保険会社の方々と接するたびに、「もっと合理化できるのではないか」と思ってしまいます。


なお、こんな風にアプローチしてくる人に「アフターサービス」を期待できるはずがありません。
もし、給付事由が発生したとしても、コールセンターに電話をすれば済むはずです。。。。。。。



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