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「賃上げ政策」は有効なのか? [みんなうすうす気づいている]

ある経済雑誌のコラムで「賃金の下落がデフレを生んだ」的な見出しが目につきました

内容を読まなかったのでよくわかりませんが、はたして本当に「賃金は下がったのでしょうか?」


多くの企業では、ベア(ベースアップ)を何年もやっていませんので、「給与ベースが増えた」ということはないかもしれませんが、「賃金が下がった」のではなく「賃金が減った」というのが正解なのではないでしょうか。。。?


言葉の遊びのようですが、

1.個々人の給与で見れば

①「年功序列制」から「役職・役割責任制」に移行したこと

つまり、ポストを外れたら「役割責任手当」が減るということであり、下がったわけではありません。

②コンプライアンス意識の高まりから「サービス残業が減り」その結果「残業代が減った」

企業のなかには、(労働基準監督署の査察等の結果もあり)「残業そのものが罪悪視されてしまうようなこともありました」

一定年齢の達すると「給与減」がルール化されている企業も多く、その年齢に達する社員が増えた

かつては55歳定年でした。60歳まで定年延長をする制度を作った際、制度として55歳以降の給与を従来の60%程度に減じた企業も多く、結果として「旧定年越え」の社員が増えた。



2.企業の人件費面では

①いわゆる「団塊の世代」の退職から社員数が減った

②「団塊の世代」の退職の補充は「派遣社員」で置き換えられた

モノづくりの海外移転パソコンなどのIT環境の発達等でそもそも仕事が減った

④情報伝達手段と交通手段の便利化でいわゆる「営業所」が減った

※地方の各所に営業所を置かなくても、東京とか大阪、福岡、仙台、札幌などの拠点から出向けば対応できるようになったため規模縮小あるいは廃止が進んだ。

などということで総人件費が増えなかったと考えられます。

たぶん、統計数字や企業の総人件費を見れば、現象面では「賃金が下がった」と思わせる数字が出てくるのではないでしょうか。。。。。


このような状況ですから、もし、賃上げが断行されても、恩恵に与るのは大企業の正社員及び公務員等など効果が限定的な恐れがあります。

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おしなべて所得を増やそうとするのなら、AさんBさんの収入を増やすよりも派遣でもパートでもいいので、雇用を増やすことのほうが効果的なような気がします。



なぜデフレになったのかというと、

1.消費飽和(欲しいものはない)が進み、在来的な消費は「価格破壊」をしなければ売れなかった。

※2005年当時は、広告や新聞記事には「価格破壊」という言葉が躍っていたはずです。

2.生産拠点の海外移転が進み「性能・品質のいい低価格品が普通に販売された

3.円高で輸入品価格が下がった。

4.団塊の世代のリタイア消費の主役を慎重行動にしてしまった

5.長寿化及び年金制度への不安で消費行動が慎重になった

6.価値観の多様化から「よそいき」や「一張羅」がなくなり、いわゆる普段着化が進んだ

※着るものだけでなく、電気製品などでも最高級のものでなくてもよくなりました。

というようなことが相俟ってデフレ化の道を歩んできたのではないでしょうか。。。。


賃上げは一過的な効果しかなく、格差拡大はあっても構造要因を解決するには弱いような気がします

ちなみに、賃上げで増えたお金はどこに向かうのでしょうか


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