SSブログ

「働き方改革」と「裁量労働制」と「高度プロフェッショナル制度」に思う [みんなうすうす気づいている]

最近の「働き方改革」の議論は正直よくわかりません。

私は「裁量労働制」とか「高度プロフェッショナル制度」については「そういうこともありかな」という賛成のスタンスです。

ただ、「裁量労働制」とか「高度プロフェッショナル制度」の意味するところがよくわからないまま使われているところに素朴に疑問があり、また「賃上げ」と「成果主義」や「過労死」をまぜこぜにした与野党の政治の道具にされてしまったところに混乱を招いている原因があるのだと思います。


私は銀行員でしたから、当時は「サービス残業」「風呂敷残業」が当たり前の職場でした。
「早帰り日」という「飲み会の日」も何度もありました。
「明日でいいよ」と言われ翌朝「まだできていないのか?」と叱られたことも。。。

「朝まで徹夜で仕事をしその日の飛行機でバンクーバーまで出張した」「ブラックマンデーの株価急落後の大蔵省検査のために朝まで仕事」というのも今ではいい思い出です。
この時、「残業代を払ってくれ」という気持ちなどみじんもありませんでした。
やればキリがない仕事でしたので、「どこまでやるか」「どこで納得するか」は自分の判断に任されていたからです。


日常の「サービス残業」然りで、自分の満足のためにやっていたことと、「もっと要領が良ければ」「もっと能力があれば」と自分を恨むばかりでした。
あるいは「こんな仕事に残業代をもらっていいのだろうか?」と思うこともよくありました。

※今、銀行の「大量人減らし」が話題になることがありますが、社会構造の変化、AIの発達、工夫等が生み出した結果です。
この流れは、「銀行」だけではなく「保険」「公務員」などにも必ず及んでくると思います。



今回の「働き方法案」について「残業代ゼロ法案」という指摘もありますが、私が思うのは「そもそも『残業』という言葉になじまない仕事もある」という点が議論されず、「年収縛り」のような基準が導入されようとしていることです。
「所得基準」でこれをやると「裁量労働制」を選んだ方が所得が少なくなるという問題が起きてしまいます。
「職種」縛りを明確にしておかないと「能力のある人に不満」が溜まってしまいます。


今回の「働き方改革実現会議」の議論では、
①同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善
②賃金引き上げと労働生産性の向上
③時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正
④雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題
⑤テレワーク、副業・兼業などの柔軟な働き方
⑥働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備
⑦高齢者の就業促進
⑧病気の治療や子育て・介護と仕事の両立
⑨外国人材の受入れの問題
が検討の切り口になっているようですが、性急に「法制化」をしようとしたことが混乱を招いているようです。


こういう議論が生まれた背景には、
労働力人口の減少
長時間労働
少子高齢化
労働生産性の低迷
があると言われていますが、
労働現場には、
1.過酷・過剰な「納期」要求
~「納期」を伸ばしたり「納期」に価格をつけることが必要です
2.休暇が満足に取得できない
~「とことん仕事をしてゆっくり休む」ということも必要です
という現実があります。

ここを解決せずに「裁量労働制」や「高度プロフェッショナル制度」を論じてしまったために本来早期に解決解消されなければいけない問題や課題が放置されてしまいそうだという問題も生まれてしまっています。

対応策としては、「課題は抱き合わせにしないでひとつづつクリアにすること」が求められると思います。


具体的職種に当てはめて考えてみると、「肥大化する公務員にばかりに有利な制度」になること間違いなしです。
おそらく「税金が上がる」ということを伴ってしまいます。


日本の労働現場が「『ニンベンにムリ』と書く仕事のやらせ方」と「お調子者に楽しい働き方」が混在しているところに課題はあるのだということを忘れてはいけません。


nice!(3)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント