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「景気はいいのか悪いのか?」~エコノミストの話は正しいのか? [どう受け止めたらいいのか]

「景気はいいのか悪いのか?」

ここのところ永遠のテーマのようになってしまい正解も見つかりません。
※中には「それがどうした?」「いずれにせよ私には関係ない」という方がいらっしゃるのも事実です。
いろいろなエコノミスト(と称する)皆さんはいろいろなことをおっしゃっているようです。

テレビによくお出になる「エコノミスト」という皆さんは「弁舌がうまい」とか「自分の所得は相応に保証されている」あるいは「政府批判はやりずらい」等の理由で他人ごとのような景気分析もあるようです。

ただ、今の景気の状況や今後の景気予測を考えると「自分のライフプラン」を考える上では少しは役に立ちます


昨日のラジオ番組で政府の「〇〇委員会」の委員をなさっているという大学の先生が景気の話をなさっていました。

政府の委員をなさっているぐらいですから「アベノミクス」を否定なさるようなトーンではお話しなさいませんのでなんとなく「勉強なさっているのかな?」「それ正しいの?」「合成の誤謬かな?」などと思ってしまいました。
※「合成の誤謬」・・一つ一つ(一人一人の行動)は正しいが、それを総合(合成)すると間違った(意図しない)結果になること。
例えば、「一人一人が節約することはいいことだが、全体では消費が盛り上がらない」等


この大学の先生の分析(お話)を少し拾ってみましょう。

1.消費について

総務省が発表した4月の「家計調査」では3か月連続で前年同月を下回っており、心配な状態。
2月3月は気候(大雪等)や調査方法の変更の影響もあるがさらに悪化している。
景気の先行き感には個々の家計は不安を持っている。

(私見)
消費には「個人消費」と「企業消費」があります。「家計調査」は「個人世帯」の支出状況(モノやサービスの購入)を示しているものであり、「企業の消費の状況」までは把握できません。お店などのレジにAさんBさんが並んでいても、お財布は「個人」のものか「企業」のものかはわかりません。
・「団塊世代が年金世代化」し「収入面」の不安があること
・そもそも「少子高齢化」の状況にあること
・「非正規労働者」の増加から先行きの収入に不安を抱えている人が多いこと
・「イノベーション」(技術革新)が少ないため購買動機が落ちていること
・廉価品の品質が高まっており敢えて高額品でなくてもいいこと
などが相俟って消費金額が増えていないことも丁寧に考える必要があります。

つまり「消費」の議論をするときは売る側の統計である「販売統計」も併せて分析しないと政策面でミスリードしてしまいます


2.低金利政策の継続について

・日本の雇用を支えてきたのは金融緩和。
・金融緩和により企業はお金を借りて投資行動をする。
・金融緩和の状況がどのくらい長く今後も続く(長期に亘って金利が低い)のかという予想が景気を動かしていく。
・2%インフレを見るまでは金利は上がらないんだなと確信してもらう必要がある。
・大手マスコミが「金融緩和の出口を探れ」というのはおかしい。

(私見)
・社債・私募債などが典型例ですが企業は低利の「固定金利」での調達を好む傾向があります。
「金融緩和」「低金利」が続くと企業は「資金調達はいつでもいい」「景気が悪い状況が長続きしそうなのでうっかり設備投資はできない」と考えがちです。
低金利の長期化が銀行ビジネスの疲弊感を生んでいる話にはそういう事情もあります。
さらに言えば、企業は先行きに自信が持てないため積極的な投資に向わないということも考えられます。
※上場企業なら株高を利用してもっと「時価発行増資」を行ってもいいはずです。

だから金利を「上げる方がいい」「上げない方がいい」という議論ではなく、先行きの安心感が政府の経済政策運営に見当たらないという点がポイントです。


3.「財政再建」(財政健全化)について

・そもそも財政再建はGDPと国債(借金)残高の割合を安定させられればいい。
・日本のGDPと借金の割合・比率は横ばいが続いておりゼロにする必要はない。
・稼ぎと借金の比率(債務残高GDP比率)が一定に止められていればよい。これを目標に財政は運営されるべき。

(私見)
「債務残高GDP比率」の安定に異論はありませんが、その水準が議論されていません。
GDPは変動しやすいだけに債務残高(比率)の水準論をもっと明確にするべきだと思います。


4.消費増税について

消費が弱い中で消費増税はおかしい。

(私見)
私も現時点での消費増税は「イヤだな」というのが本音です。
ただし、「増税しないと国のお金が足りない」ということなら「支出のチェック」をもっとやるべきだと思います。「砂の上に水を撒くような」お金の使い方がなされたままで「増税云々」ということが議論されるのもおかしな話です。
「消費税」を引き上げないなら「どの税金を上げるのでしょうか」?
反対するのは簡単ですが、どこかで帳尻を合わせなければいけないはずです。



この手の議論は聞けば聞くほど「一つ一つは正しそうだけどそれがどうなるのかよくわからない」という本音もあります。

つまり、分析に「時間軸の違和感」がついて回っていることや政策論に迫力や実現可能な「絵」が見えないというのが今の状況ではないでしょうか!



※「家計調査」~全国8,076世帯に聞いた家計(世帯)収支のアンケート調査。

「消費が勢いづいていない。総務省が5日に発表した4月の家計調査では、2人以上世帯の消費支出が3カ月連続で前年同月を下回った。食料や光熱・水道など値上げのあった品目の支出減が目立ち、収入の伸びが鈍いなかで消費者が価格に敏感な様子を映している。総務省は消費判断を「弱さがみられる」に下方修正した。」(2018.6.6日本経済新聞)





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