SSブログ

「黒字なのに廃業危機!?」~中小企業の後継者不足について考えなければいけないこと [裏づけのない経営学]

昨日(18.06.24(日))の「ビートたけしのTVタックル」(テレビ朝日)では、「中小企業の後継者不足問題」を取り上げていました。

東京商工リサーチの調査によると、人手不足などが原因で去年、休業や廃業・解散を余儀なくされた企業は約3万件。
ところがそのうち5割が黒字経営!一体何故なのか?
というような切り口でした。


番組に登場した企業も年間600万円の黒字ながら後継者がいないのだとか。。。。
創業社長の年齢(83歳)と体調を考えたら「一刻も早く後継者が欲しい」でも「一族には後を継ぐ者はいない」という状況を伝えていました。


ひな壇にお座りのコメンテーターの皆さんには「たいへんだ」「もったいない」感がにじみ出ていますが、はたして皆さんがお立場ならこの企業の後を継ぎたくなりますか?

私ならNOです。

理由は、

技術的な側面は創業社長に頼っており、彼がいなくなると技術革新も期待できない。

黒字600万円程度なら、情勢が変わればいつ赤字に転落するかわからない。

ということが考えられます。


こういう企業には「後継者ができない」事情がそもそも存在するのです。

例えば、

①本音は「一族に継がせたい」と思っていらっしゃるため社員など一族以外から後継者を作ろうとしてこなかった

技術開発者が他にいないため「創業社長」と「工場労働者」と「事務員」だけの経営である。
※受注生産で営業は不要とのこと。

黒字600万円は「黒字」と言わない

企業の利益
「売上」-(「原価」+「経費」)
で決まります。

人件費や福利厚生費を惜しんで経費を節約すれば出る程度の黒字です。
従業員が10人程度だとすれば、一人60万円も報酬アップ(含む法定福利費)すれば消えてしまいます。

とかく「中小企業は給料が安い」と言われています。
「黒字」というのなら、赤字にならない程度に賞与などで従業員への報酬を増やしておくべきだったのです。
利益体質(利益が毎年コンスタントに出る)なら、人件費に振り分けておくべきだったのです。

一族が後継しなくても資本金(株式)は相続されてしまう。
※「経営」と「資本」の分離がうまく行けばいいのですが、今さら感があります。「従業員持ち株」等で経営のわからない人たちに株式が流出してしまうのを防いでおく必要があったのです。


番組では「事業譲渡M&A」を仲介するサイトを立ち上げた企業のことも報じていましたが、ネット頼りではなく、販売先や仕入れ先あるいは同業者などのようにもっと事業の内容をよく知っている企業に譲渡できる選択肢を早くから探っておくべきだったのです。

銀行筋こそもっと早めに意見具申しておくべきだったのです。
企業経営者の皆さんも「お金を借りていないから銀行に相談しにくい」と考えずにそういうことこそ銀行を利用するべきだったのです。(今からでも遅くありません)
ただ、日本の銀行がそういうビジネスに長けているかどうかという課題が残るのも事実です。



nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:仕事

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント