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「ふるさと納税」で被災地支援をするということの是非 [どう受け止めたらいいのか]


世の常として「気持ちはわかる」ということにしばしば出会うものです。

今回の西日本豪雨の被災地支援として「ふるさと納税」が急増している

というニュースがテレビで流れていました。


番組では若い人たちの、

●自分がどこに届けているか分からないのでハッキリしてくれたらそれはありがたい。

●自分のお金がどう使われるのかというのがわかるからサイトを使うと思う。

と言ったコメントも取り上げていました。



そして、他の自治体が事務を肩代わりし被災地自治体の事務負担(「受領証明書」や「お礼状」の送付作業など)を軽減する「代理受付」という制度が広く行われているということも伝えていました。


あるいは災害発生直後に寄付金専用ページを立ち上げたところと日数が経ってから専用ページを立ち上げたところでは寄付金の集まり方が違うとも。

番組では「いい話」として前向きなスタンスで取り上げていたようです。
事実たくさんの寄付も集まっているようです。


さて皆さんはどう受け止めなさいますか?


例えば、

1.「税金の具体的な使われ方がわかる」という点については、日ごろから「あなたの住んでいる町や村の〇〇に使われている」ということを自治体が具体的な広報をもっとやるべきであり、住民自身が使い道を知ろうとするべきだと思います。

●「町や村の道路の補修・整備」や「ゴミなどの清掃業務」等々にも使われているはずです。
たしかに災害支援などは具体的・特定的に使途がわかるような気がするのでそういうコメントも出てしまうのかもしれません。


2.被災地の「被害ニュースの取り上げぶり」や「日頃のマスコミの報道ぶり」や「サイトの出来不出来」で寄付が偏ることが起きてしまう懸念がある

●番組ではサイト運営を行う企業のことも取り上げていましたが「なんだかなぁ」です。

●また、被災者が多い地区・地域と少ない地域での偏りも気になります。


3.日頃「地道な地域づくりに注力」した自治体とどちらかと言うと「インフラ整備が後手」に回った自治体とでは「うさぎとかめ」の寓話のような部分が出てしまう


4.他の自治体による「代理受付」よりも優先しなければいけない応援の仕方があるはず

●この二つは「ふるさと納税」とか「地方創生」という政策のあり方にも通じるものですが、行政あるいは公務員自らが日頃から仕事を増やしているような側面も見逃せません。


5.「激甚災害」に指定されるような大きな災害の場合は、経済的な側面は後から考える方がいい場合もあります

●「ふるさと納税」が各自治体の地方税である「住民税」からも控除される以上は「適正規模」ということも必要です。

●また「ふるさと納税」が隠れ蓑のようになって使い道が実はわかりにくくなってしまう恐れがあります。例えば被災者一人一人への見舞金として使われるのか?公共工事に使われるのか?等。



なお、私は「大きな災害の被災地に経済的な支援を行うことがおかしい」と言っているわけではありません。「ふるさと納税」という制度で寄付をするということに違和感があると申し上げたいのです。

さらには「義援金募集」の受け皿組織である「日本赤十字社」ももっと何度も具体的にわかりやすく「使われ方」を広報していくことも必要だと思います。


番組の最後には、このテレビ局による義援金の募集を案内していました。
なんだか歯がゆくなってしまいました。


※総務省ホームページ
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/about.html

ふるさと納税とは、自分の選んだ自治体に寄附(ふるさと納税)を行った場合に、寄附額のうち2,000円を越える部分について、所得税住民税から原則として全額が控除される制度です(一定の上限はあります。)。

例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます。

また、自分の生まれ故郷だけでなく、お世話になった自治体や応援したい自治体等、どの自治体でもふるさと納税の対象になります。




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