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「ビジネスマーケット」はどこにある? [仕事についてのエトセトラ]

「儲かりまっか?」「ぼちぼちでんな」

若い頃働いていた大阪:船場界隈の日常の挨拶言葉でした。

当時は、
●経済的な豊かさを誰もが求めていた
●他人に自分の手の内を見極められないような言葉が目立った
ということなのか、わかったようなわからないような言葉が支配的でした。

そういう状況下、この船場でも東京弁しか使わなかった私は、相応に船場の経営者の皆さんからは歓迎されていました。
ある社長曰く、「消費マーケットの東京の情報が欲しい。大阪弁ではよくわからない」と。


さて、「産業振興」とか「起業」という時にはいろいろなチェックポイントがあります。

資金調達はどうするのか?
儲かるのか?

と言った基本中の基本から、「売上を上げるマーケットはどこにあるのか?」というのも大きなチェックポイントです。


ある県で仕事をしていた時につくづく考えさせられたことがあります。
ビジネスマーケットで整理すると、この県の産業のタイプがとてもわかりやすかったからです。


具体的には、

A.城下町型ビジネス

●建設・土木、商店街、地方百貨店、医者などが典型。
そのエリアの資源だけをビジネスマーケットとするもの
●典型の建設・土木は官公需頼み

エリアマーケットが狭いと収益機会は限られています。
適正規模を考えておかないと、「他社の倒産や不評は自社の売り上げ増」ということにもなります。


B.門前町型ビジネス

●観光産業が典型。
●観光素材が「人寄せ」をしてくれますが、「待ち」のビジネスです。
●利益率が低いというのも特徴的です。


C.下請け型ビジネス

●大手企業のまさしく下請け、受託などのビジネス
地場産業の特長とか、気候や地形などの自然条件、あるいは県民性などに影響されやすい。
●ただ、単純な下請け作業は海外化されているので、品質(クオリティ)を意識した付加価値化が必要です。


D.ベースキャンプ型ビジネス

●頂上(主戦場)は別のところにある
頂上を睨んだ場所に拠点を構えそこから配送展開している
●日本の「元気な中小企業」にこの型が多い
モノづくり戦略に向いている
元気な地方にはベースキャンプ型の企業が数多くある
●「農業」は典型的なベースキャンプ型。他地域への出荷、輸出が定着すれば企業規模も大きくなっていきます


昨今流行りの「地方創生」ですが、手っ取り早く結果を得たいせいか「観光」とか「サービス」業が目立ちます。
利益率の低い「門前町型」「城下町型」を選ぶ傾向が強いようです。
「地方創生策」がなかなかうまくいかないのもこういう側面の検討・検証がなされていないことにも起因します。


今の皆さんのご商売はどういうタイプでしょうか?
儲かるビジネスにはすぐさまライバルが生まれてきます。
他の追随を許さない付加価値
商品寿命を見極めた次のビジネスの模索
等とセットでなければ、ビジネスの持続はなかなか難しいものです。

東京ディズニーランド」を見てください。
●ミッキーなどの絶対的なキャラクター
●絶え間ないアトラクションの追加
という教科書通りのビジネスに忠実だということに気づかされます。


そういえば、かの船場には、往時の姿を彷彿させる看板はずいぶん減りました。

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