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「自慢」の仕方 [素敵な企業、素敵な経営者]


「そんな晴れがましいことはしたくない」
これは私が尊敬する「ある優良企業の会長さんの成功人生を銀行の機関誌で取り上げたい」という依頼をした時の会長のお言葉でした。

「主義として上場しない」と言うくらいの優良企業で地元の実力者でした。
親子ほど年の違う人生の大先輩で地元の重鎮の了解を頂くのはすごく苦労しました。

「あなたの成功物語をつまびらかに知っている人はいない。やはり苦労と成功の歴史をご家族や従業員の皆さんに知ってもらういい機会だと思う」などと説得して了解をもらいました。

彼に代表されるように「真の成功者は自慢なさらない」と言う気がします。
今も当社は業績良好、息子さんたちが立派に後を継いでいらっしゃいます。


片や「自慢大好き」な人たち

先日も同級生が何十年ぶりで電話をかけてきました。
「選挙に出る」のだと。
選挙とお葬式は知り合いと親せきが増えるというそのままです。


ある企業で働いていたら、もう少し有名で大きな企業に引き抜かれ、脱サラ独立し苦労もしたけど銀座の仕事や北京での仕事などいろいろとやった。
と延々と手柄話です。
親戚は勲章をもらう候補になっていると言った欲しくもない情報も。

個人的には家庭を顧みなかったせいか離婚もしたとも。
今は仕事から手を引き、今年ある選挙の手伝いをして来年は自分も選挙に出ようと思っている。
そういう話しでした。

いったい彼は成功したのかどうなのかわからずじまいでした。
きっとこれから成功への道を歩くことでしょう。


融資の相談を受ける時に特徴的なのは、「内容のよくない企業ほど自慢話が多い」ということ。
思わず「そんなにご立派な企業なら、赤字や資金不足になったりしないでしょ」と言いたくなってしまいます。


冒頭の企業の設備投資資金はうちの銀行で取り組みました。
会長は「実質無借金だから」とおっしゃりながら「大事な設備投資なので銀行借り入れを混ぜておきたい」ともおっしゃっていました。

この会長の社葬の際には参列者の皆さんに件の本が配布されました。


生前のこと
掲載が終わると会長から「妻も子もその嫁や孫まで集めて完成披露をした。みんなが本当に喜んでくれた。」と急ぎお礼を言いに来られました。今でもあの日の笑顔が忘れられません。

一代で年商100億円を超える企業を作り上げた経営者は人前では決して自慢をなさりませんでした。


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