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「年末・年始の休暇を1月11日まで延長」ってどういうこと? [新型コロナ]

昨日(23日)に開かれた「新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)」では、「年末年始の休暇を1月11日まで延長・分散を企業に要請する」という話が出たようです。


しかし、この話の具体的なあり方がよくわかりません。


1.「休業」なのか「休暇」なのか?

「仕事始め」を1月12日にしてほしいという要請だとしたら、「年末年始の休業」要請ということになり、企業側の人件費負担は大きくなってしまう。

業種により「仕事始め」も違うが、具体的にはどうするのか?

③「休暇取得」ということなら、
有給休暇の保有日数が少ない人は困る
・年末年始に半強制的に有給休暇を消化しなければいけなくなる
・年末年始ではなく別の時期に休暇を取りたい人もいる
④休みが増えればいわゆる「非正規」「日雇い」の人は収入減少になってしまう


2.「外出自粛」なのか?「移動制限」なのか?そうではないのか?

①非常事態宣言の時のように不要不急の「移動自粛」「外出自粛」という話かと思ったら、片方で「GoToキャンペーン」特に「GoToトラベル」をやっているのだからやはり趣が違う

「GoToトラべル」の1日当たりの適用数を分散しないと「人出のバランス」は崩れる


3.「働き方改革」なのか?「感染抑制」なのか?

「働き方改革」につながるというすり替えた議論が目立ちます。
年末年始の休みを長く取ったところで「働き方改革」にはつながりません。1年365日の中で働き方、休暇の取り方や残業の在り方を考えてこそ「働き方改革」なのです。

初詣あるいは交通機関等の人出集中を避けたいという思惑も見え隠れします。
・社寺への「初詣」の具体的な在り方を国家が管理するということなのかと思ってしまいます。
・寺社のかき入れ時の所得補償をしてほしいという話が出てきそうです。
・新幹線・航空機・長距離バスなどの定員制限もしなければいけません。
※高速道路は大渋滞になるでしょう。大雪でも降ればパニックです。


おそらく、サラリーマンをやっていない特別な働き方の人たちの発言による煮詰まっていない議論のような感じがしてしまいます。

そもそもこの話のおかしいのは「人手の集中」を避けたい方策として「連続休暇の取得」ということをメインに出してしまったことです。


私なら、

①企業が儀礼として行っている「年末・年始の挨拶回り」の自粛を要請する。

●そもそもそれほど重要とも思われません。「顔見世」の性格が強いようです。1月中にやればいいくらいの「意識改革」が必要です。
●「今年はお世話になりました」「今年もよろしく」という挨拶回りですが、盃を交わしたり、今年の景気や業績や人事の話を形式的に短時間ですることが多いようです。
この「挨拶回り」のためにだけ出勤しなければいけない社員もいるのです。
年賀の挨拶状あるいはメールで十分です。

②企業の初詣をずらす。

多くの企業が「仕事初め」には寺社に団体で初詣をなさいますが、各企業には年初めを避ける要請をする。
この「初詣」があるために出勤しなければいけない(休めない)社員もいるのです。

「初詣」「年頭の挨拶」が済めば半ドンまたは宴会という企業もあります。
そういう「ためにする仕事」を減らすことこそ「働き方改革」なのです。


③年末・年始の休業は今まで通りとし、「業務の縮小」「休暇取得の交代・分散」の要請をする。

「非常事態宣言」でもなく、「移動自粛」でもないのなら「連続休暇」は返って「人出が集中」してしまいます。
●不思議なもので定休日が少ないと「休暇は分散」します。
そうはいっても「子どもの休みの時に休暇を取りたい」「正月に帰省したい」と言う人は限定的です。
・受験生をお持ちの場合はどこにも出かけられないのです。
・受験生あるいは小中学生をお持ちじゃない方の自由度は高いので「決められた連続休暇」よりも「自由度の高い連続休暇」のほうが喜ばれます
・雪国への帰省を避ける方多いようです。
・スキーやスケボー組は1月初旬よりも1月後半や2月を好みます。

海外旅行が制約されている以上は国内移動に行動を移す人が増えてしまいます。
年末年始に休暇を集中させるという発想がよくわかりません

要は移動・外出の平準化」を図るということを目指したほうが、「感染拡大」や「経済の活性化」には有意義なような気がします。


<参考>
「年末年始 1月11日まで休暇延長を要請へ 新型コロナ政府分科会」(NHK 2020年10月23日)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201023/k10012678151000.html


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