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「損益計算書」のことご存じですか? [どう受け止めたらいいのか]

「法人税増税」「賃上げ」が話題になる今日この頃ですが、SNSやテレビ番組のコメンテーターの話を見聞きしていると「この人損益計算書のことがわかっていないのでは?」と言うような意見もあります。

「賃上げ」~ウエルカム
「法人税増税」~景気に水を差す

的に。


こういう発言をなさる方に共通なのは「損益計算書のことをご存じないのだな」と言うこと。

「賃上げはまるで打ち出の小槌状態」の話っぷり
「法人税増税は悪魔の手法」のような話っぷり

と言うことです。


誤解を生む人たちの中には「売上」こそ「景気」なのだと思っているのかなと言う人もいらっしゃいますが、やはり「利益」に注目しなければ「持続する賃上げ」も「景気の持続」もありません


さて損益計算書のことを今一度確認してみましょう。

売上高 ~ 「製品」「商品」を売ったお金です

売上原価 ~ 「製品」「商品」の仕入れ(製造)コストです

売上総利益(粗利)(①-②)~ 販売から仕入れ(製造)コストの差額です ここで赤字なら商売をしている価値はありません

販売・管理費 人件費、家賃、事務費、減価償却費

営業収支 (③-④) ~ ここで赤字なら賃上げなどできません

営業外収支 ~ 主なものは「受取利息」ー「支払い利息」です

特別損益 ~ 不動産・投資有価証券などの売却損益

税引前当期利益 ~ 税金を払う前の企業の儲けです。
もし「法人税率が引き上げられるなら、コストを増やす(特に人件費引上げ、設備投資(減価償却)、什器・備品の買掛)ことで「税金で持って行かれるくらいなら、コストを払ってでも企業体質を強化しよう」と考える着眼点です。

税金 ~ 税金を払う前の「当期利益」が多いと税金は高額になります。だから皆さんコストを増やして節税をなさるのです。

税引後当期利益 ~ 税金を払った残りの利益です。

こういう基礎知識を理解して「賃上げ」や「法人税増税」を理解してほしいものです。

なお、

「賃上げ」将来業績不振になった時には下方硬直性の強い(不利益変更のできない)賃上げは赤字要因になります。
儲かった時は「賞与」(成果報酬)で出すということが原則です。

「法人税増税」「税金で持って行かれるくらいなら」と言うことで
償却資産を増やす
什器・備品などの消耗品を買い替える
人件費を増やす
等々、すそ野広くお金が回ります。
だからこそ「法人税増税」をやらなければいけないのです。

「安倍菅の9年」のように「法人税を低いまま」にしていると「税金を払っても貯金した方がいい(内部留保を増やした方がいい)」と言う考え方が支配的になりお金が回らないのです。



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ふるたによしひさ

法人税はまったくおっしゃる通りで、
増やすと「じゃあ人件費をあげよう」ってなりますので、賛成です。
by ふるたによしひさ (2023-01-20 10:48) 

beni_ha


法人税については「とにかく税金は安い方がいい」とお考えの方が多すぎです
税務会計をうまく利用しよう(➡活かそう)と考える企業は強くなります

by beni_ha (2023-01-21 11:23) 

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