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大手金融機関の「人員削減」や「業務削減」を歓迎する [仕事についてのエトセトラ]

このところ大手金融機関(銀行)の「人員削減」や「業務量削減」の話が報じられています。


昨今の銀行業界は、

①低金利が続いているにもかかわらず本業の貸出(融資)が伸びない

②貸出が低迷している中、続く低金利に「預金」が集まらなくなり、かつ無理をしてまで預金を集める必要がなくなった

③クレジットカードの浸透、コンビニによる利便の向上、ATMやネットバンキングの普及により従来からあった銀行業務も別の形態に置き換えられてきた

④「貸出」(運用)-「預金」(調達)=利鞘 という古典的な収益獲得から、「保険」「投信」「外為」あるいは「M&A」などの手数料収入に頼らざるを得なくなった

等々社会構造変化の大きな波を直接受けてしまうようになりました。

また、普通に「AI」が現場に浸透しつつあり、「人手が要らなくなった」現実も無視できません。


かつては、優秀な「商業高校」卒業生の有力な就職先の一つが銀行でした。
そして、彼・彼女たちがこれらの基本的な銀行事務の担い手でした。


その「高卒」人材も昭和50年頃を境に極端に採用が減り、40数年経った今、その彼らが退職時期を迎えようとしています。

つまり、銀行側から言えば「業務のやり方の変化」や「人材構成の変化」が、お客様側から言えば「何も銀行の店頭でなくても」という変化が起きています。


ところで世の中は「人手不足」とか。。。。

世代別人口の多い「団塊の世代とその少し後の世代」が退職時期を迎え、「新卒の30%が3年以内に辞める」状況も見逃せません。


今の銀行は、生活者には「余計なお世話」サービスビジネスになってしまいました。


大手金融機関の「人員削減」は、本来世の中に必要なビジネスへの人材の傾斜を促します。

「人員削減」のためには「更なる業務の見直し」も行わなければいけません。


これからは「若年層不足」と「働けない高齢者増」という人口構成になっていくのですから、「余計なお世話サービス」のソフトランディング(人員削減とAI化)がさらに必要となってくるはずです。


今後「人手不足が恒常化」するかもしれない必需ビジネス(例えば介護、保育、学校等)なども、生身の人手が携わる部分と「機械化」や「AI化」で置き換えられる部分の区別化が求められているのだと思います。


世の中にはいろいろな補助金があるようですが、こういう「区別化」の分野は国を挙げて技術・ノウハウ開発をすべきであり、経済的な資金支援も必要なのだと思います。


資源の少なかった戦後日本の発展には「加工貿易」が富をもたらしました。
「人手のかかるビジネス」の「機械化」「AI化」のノウハウを輸出することも夢ではないと思います。


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