「危うい企業」の見分け方 [裏づけのない経営学]
先日の成人式の日(18.1.8)、「晴れ着ビジネス」の被害にあった若い人がたくさんいらっしゃいました。
この「晴れ着ビジネス」の危うさを「従業員さんは気づかなかったのか?」ということです。
これだけ「人手不足」と言われる時代です。給料の遅配などが発生していたとの報道もあるようですが、「従業員」の皆さんが「おかしい」と見抜くことも必要だったかもしれません。
この逃亡中の社長の生活ぶりなどを見聞きしても「身の丈を超えている」という様子もうかがわれます。
そもそも「季節性」が強く、また「前受金」的なご商売だけに気を緩めると資金繰はたちまち困窮するリスクもあります。
企業の経営ぶりは外からはなかなか見えません。
ただ、素人の方が企業をなんとなく見分ける方法としては、
①従業員さんが長く続かない(担当がよく辞める)
~さりげなく経験年数などを聞く
②社長などの話がオーバーすぎる(身の丈を超えている)
~「商売人の言葉は話半分」と思うこと
③急成長企業ほどピークが早い
~例えば、急ピッチの店舗展開は「やけど」のもと
④経営者の名刺の肩書が多い
~実力のある人ほど肩書は地味
⑤高額品は、必ずセカンドオピニオンを求める
~今回の着物なら「デパート」や(地元の)「老舗」に相談(比較)するのが一番だったのです
※旅行なら「大手旅行社」等敷居が高いところに相談すること
などもさりげないヒントになるようです。
※私はかつてこの「成功した企業トップの15か条」の話をベースに「労働組合」の幹部の皆さんにもお話ししたことがありますがとてもご関心を持っていただきました。
身の丈に合った経営 [裏づけのない経営学]
先日、地方在住の中小企業の経営者の方からお電話をいただきました。
彼曰く、
①銀行がお金を借りてくれと言ってくる
②某有名国立大学の元学長だった人と懇意であり「私の名前を使って商売をしていい」と言われている
③上場企業の社長職にあった方からも、「私の名前を使って商売をしていい」という申し出もある
④元知事からも協力をすると言われている
⑤上場企業のOBや大学の先生など協力したいという人もかなりいる
彼は、仕事を大きくしたくて仕方がないような口ぶりです。
こんな相談があったら皆さんはどうお答えになりますか?
私は、次のようにお答えいたしました。
①まず社長である息子さんに相談すること
②その仕事は5年後10年後まで続くのか考えること
③元学長とか元社長とか元知事というのはビジネス界での寿命は短いはずなので、彼らの神通力にも限度がある
④各企業ともコンプライアンス重視であり、いわゆる「口利き」を嫌う傾向にある
⑤そもそも御社の屋台骨がビジネス拡大に堪えられるのか?
⑥どんなに金利が安くても「借金」は返済の必要がある
⑦「名刺の肩書」が多い人ほど信用できない
⑧「身の丈」にあったビジネスを続けることが一番である
⑨短期的にはいい話かもしれませんが、当社も世代交代の渦中にあり、親(会長)が仕事を広げ過ぎたツケを息子(社長)が払うことのないようにすべき
と。
彼からはこの手の話は前にも何度か聞いたことがありますが、その都度、今のような話を返しています。
(こんなに厳しい回答でも聞いてこられます。)
おそらく息子さんや奥さんも「私に聞くことで断念させる」ような様子も見え隠れします。