SSブログ

「地方重視」政策は危うい [少し政治的な話を。。。。]


自民党総裁選挙に立候補予定の二人の候補が揃って「地方重視」を掲げていらっしゃいます。

いわゆる「地方創生」策です。


思い返せば、2014年9月の第二次安倍内閣発足に伴い発表された政策であり、奇しくも初代地方創生担当大臣が石破さんです。

あれから丸4年、成果はどうなのでしょうか?
おそらくめぼしい実績もないはずです。税金を無駄に地方に投入したという以外には。
石破さんの地元では、呼び込んだ移住者の想いだけで「地方創生」策が練られ、地域住民の皆さん には何も恩恵がなく、地元マスコミだけが囃し立てているという事例が散見されます。

この4年間の評価も課題の検討もなく「地方」「地方」というのもなんだか変な感じです。


そもそも、

1.「国土総合計画」というものがなくなり、日本全体を見渡しながら地域・地方を考えることがなくなりました

2.地方を選挙地盤とし政治家歴の長いお二人ですが、今さら「地方重視」という発想がよくわかりません。今まで何をなさっていたのでしょうか?

3.「地方はそれぞれ違う個性があり一律に論じられない」という考え方も伝わってきますが、私が地方勤務で得た感じでは「どこも同じ」ということです。
「地方の個性」というほど大きな違いはなく、逆に「国民、住民としての豊かさへの課題は同じ」と言えます。

4.もし、違いがあるとしたら、「地理的条件」「歴史的条件」「自然環境的な条件」が微妙に制約となったり、好条件をもたらしたりしていることです。

5.今、地方で必要なのは経済条件・経済環境のレベルアップですが、今までの「地方創生策」は結果を検証しない「情緒的」「文学的」な評価にとどまっているような気がします。

6.地方が経済的にも豊かになることに欠かせないのが「取り巻くマーケット」の状況の分析とその活用です。
地方に行くと「わが地は〇〇が特産です」的な話をよく聞くのですが、多くの場合「マーケット」を分析したものでもありません。
特に、木材や農産物や観光などに顕著ですが、「競争力の弱い」もの、「どこの誰に売るのかわからない」ものに一所懸命な姿も見受けられます。

7.「裏口入学」「裏口入社」「裏口融資」などの共通項としては、
●本来実力がないものが多い
●特に「政治家」の口利きが多い
という特徴があります。
「地方重視」がこの「裏口〇〇」に似ていたらどうしましょう。

8.「地方にはいいものがいっぱいある」という言葉に騙されがちです。
もしそうなら「地方創生」策など必要ありません。
「いいもの」はすでに花開いていて政治的な応援は必要ありません。
必要なことは、「サスティナビィリティ(持続可能性)」を意識した環境整備です。

9.都会暮らしの方の多くは「地方出身者」「地方縁故者」であったり「地方で仕事の経験」があったりします。
「都会」と「地方」などと対立軸で考える時代ではないのです。



今の日本が直面する課題はたくさんありますが、「人口減社会」と「高齢者人口の高止まり」です。

こういう社会構造に対応できる「仕組みづくり」「旗振り」こそこれからの日本の政治家トップ大きな役目です。


「地方」とか「憲法改正」に光が当たってしまう危うさをもどかしく思う次第です。

「地方は特別」なわけではありません。
「地方」も「都会」も同じ課題に直面しているのです。「国土全体」をどうするかという視点の方がはるかに重要だと思います。

されど「選挙の票」なのかもしれませんが、足下の人気取りだけはやめていただきたい
nice!(3)  コメント(0)