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「中小企業」とは「経営者」を指すのか?「働いている人」を指すのか? [どう受け止めたらいいのか]

「政治」とか「選挙」では必ず話題になる「中小企業」問題。

企業金融の現場に長く居たものとしては、「中小企業」とは「中小企業経営者」の皆さんのことなのか?それとも「中小企業で働く従業員」さんのことなのか?いつも複雑な気持ちで議論を聞いてしまいます。

たしかに、「中小企業」のイメージは、

・経営基盤が弱い(業況が変化しやすい)
・資金調達力が弱い
・労働条件がキツイ
・給料・賃金が安い
・福利厚生が手厚くない

等々、実際には「働く人たちの姿」を通じて「中小企業の姿」を見てしまいがちです。

しかしながら、私の知る限りでは、

「中小企業の経営者一族」には所得も高く、生活ぶりも派手で、まさに「裕福」という人たちは数多くいらっしゃいます。

「倒産というリスクを背負っているから許してあげてよ」
という声もありますから一概には言えませんが、そこで働く従業員の皆さんの待遇と比べればある意味「リッチ」な姿を見る事が出来ます。

確かに、経営基盤も弱く、「倒産」と隣り合わせの企業もあります。

しかしながら、そういう場合には「倒産する前に企業活動を停止するなり、従業員さんに転職を薦めたりなさらないのですか?」と言いたくなってしまう経営ぶりの企業も数多く存在します。

そういう企業は「国際競争力の高まり」「ライバル企業の出現」や「嗜好の変化」あるいは「技術進歩」などから世の中の必要度合いが減じているにもかかわらず旧態依然のままで「景気が悪い」が合言葉であったりします。



「政治家」の皆さんや「マスコミ」の皆さんが「中小企業」を語るのは大いに結構なことだと思いますが、
高齢者人口の高止まりを伴った人口減少という社会構造変化
世の中のニーズの変化
国際分業体制の構造変化
といった「経営環境の変化」を踏まえないまま
経営管理・技術開発の担い手不足
現場作業の担い手不足
を解決する方策として、ただ単に「票欲しさの聖域対応」を唱えても状況はよくなりません。


ややもすると、屋上屋を重ねるお役所系の組織が増えたり、補助金が増えたりしているだけでは「働く皆さんの労働条件や職場環境」がよくなるとも思いません。


社会構造、経営環境は絶えず変化しかつそのスピードは速いということを踏まえながら、
立ち遅れた企業は廃業や転業を薦める
将来性がありながら経営資源が不足する企業はニーズに合わせた応援をする
資本と経営を分離して人材や技術を活かす方策を提供する
得意分野を持ち寄った「協業化」を図る
などという対応も必要です。


要は、「企業業績の向上を伴いながら働く人たちの労働条件・待遇が向上する」ことが最高のテーマなのです。

空からお金や仕事が降ってくるような支援は見直すべきだと考えます。
そうしなければ「いつまでたっても自立できない企業群」ということになってしまいます。




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