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「企業20年説」と「人、もの、かね」 [裏づけのない経営学]

統一地方選挙の前半戦が終わりました。

選挙では各候補とも似たような政策を訴えていらっしゃることもよくあります。
特に「中小企業政策」のような古典的なものは。
これほどまでに長年「中小企業」云々と言っておきながら在来型の企業についていえば企業力の衰えが目立つようです。

中小企業政策を考える時には「中小企業と大企業の違い」を考えなければいけません。

「資金力」、「マーケット展開力」、「人材力」などをその違いにあげられる方が多いと思いますが、中小企業経営というのはそういうものがなくても企業として存在できる規模を維持していくことが大前提です。
もちろん世の中には「山椒は小粒でもピリリと辛い」企業とか「中小企業を卒業して大企業になっていった」企業もたくさんあります。

ただ、中小企業経営者の中には「現状維持少しプラス」をテーマにして経営に臨んでいらっしゃることも間々あるものです。
ただし、次のような切り口を整理しない限りは今日の経済環境では時間の経過とともに衰退していくばかりになってしまう結果になってしまうかもしれません。


1.企業20年説

そもそも企業の寿命は20年程度しかありません。
みなさんが子どもの頃や若い頃のブームや流行りの多くが今も続いていないということでもおわかりだと思います。
人間も20歳にもなれば成人し巣立って行きます。
にもかかわらず零細・中小企業はどうでしょう。
「昔のまま」ということが多くないですか?
社会構造や環境は大きく変わっているのに昔のままの企業もかなり見受けられます。

大企業とて同じですが、①人事異動 や ②部門のメリハリ で新陳代謝を図っていくのです。

「企業20年説」という意味がなんとなくお分かりになると思います。
20年タームで経営陣、マーケット、取扱商品などの経営に関わるエトセトラを見直さなければいけないはずなのにそのままの企業が多く「昔は」病にかかってしまうのです。

しかも、中小企業にとって、こういうサポートをするコンサルタントや相談相手が少ないのも現実です。

 
日本の中小企業は昭和30年前後に創業した企業が多く、社歴65年前後になっています。
30歳で起業・創業したとしたらその方は現在94歳のはずです。
親子は約30歳年齢差がありますから、子どもさんが後継したとすると、その後継者は64歳アラウンドです。

そんなことから「20年」「30年」サイクルを意識しながら経営の棚卸をすることが必要(だったのです)。
※20年、30年というのに特に実証的なデータは持ち合わせていません。「なんとなく」という感覚もあります。


2.人、もの、金

企業などの組織は「人、もの、金」のチェックが最重要です。
「金、もの、人」とも「もの、人、金」とも呼ばれないことでご理解できると思います。

「人」とは

経営者、番頭さん、従業員さんのことです。
人事異動のない組織はそのまま老化してしまいます。
また、「給料が安い」「社会保険がない」「夢がない」と言った企業には「人」はついてきません。

「もの」とは

●取り扱っている製品、商品のことです。
60年前に必要だった「たわし」を売っているお店は今ではものすごく少なくなっているはずです。
機能の代替が進みましたから、「たわし」と言えども「売り方」「使い方」を考えないご商売は衰退します。
これが「マーケットイン」ということです。
「マーケットで受け入れられているかどうか」「世の中に必要かどうか」というのがポイントです。

●工場・店舗などの施設や設備のことです。
・事故が起きそうな危ない設備
・整理整頓の行き届いていない作業場
・病気になりそうな汚い職場
これこそが皆さんがよくおっしゃる「安心・安全」の原点です。

●経営者の資産のことです
例えば50年くらいご商売をなさっていたら財産・資産も増えていると思います。
もしこういう資産や財産がないのだとしたら「何のために商売をしてきたのか?」「後継者に後を託すことが幸せなことなのか?」と考える必要があります。
しかし、だれも言い出せないのが現実です。


「金」とは

文字通り「お金」です。
経営者や政治屋(や)さんが勘違いするポイントです。

お金が充足してもそれは点滴のような栄養剤にすぎません。
元気な身体や仲間があって初めてお金が生きてきます。
必要性の高い製品や商品やサービスがあって初めてお金が生きてきます。



ステークホルダー」という言葉がありますが、ご存じですか?
※企業・行政・NPO等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指し、 具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関などのことです。

つまり、
「金、もの、人」でも「金、人、もの」でも「もの、金、人」でも「もの、人、金」でもない事情が浮かんでくるのではないかと思います。


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