「それは都会の人の考え方」と笑う地方ほど都会の人に弱い [どう受け止めたらいいのか]
地方でお話しをすると、「それは都会の方の考え方」とおっしゃって提案や素朴な疑問を受け付けない地域があります。
おそらく、
●地方には地方のやり方がある
●そう言われても、「人」「もの」「かね」と言った経営資源がない
とおっしゃりたいようです。
気持はわかりますが、そういう「都会アレルギー」のようなことをおっしゃる地域によくあるのが、
●知事が都会の方
●都会からの移住者を歓迎
●都会のマスコミの評価を迎合
●都会の大学の先生やコンサルタントの意見を丸のみ
●「田舎はいい」と言った情緒的・スピリチュアルな考えの方を好む
と言った傾向を覗き見てしまうことがあります。
こういう背景には、
●自分が汗をかかなければいけないことには「都会の方の考え方」というレッテルを貼り否定する
●補助金に代表されるように「とにかく自分にリスクがない」ことについては無批判
という情景が浮かんできます。
今回の「みちのく一人旅」で驚いたのは、
「地方創生なんてうまくいかない」
と言い切った若い人達に出会ったことです。
「あなたは移住者か地域おこし協力隊の方ですか?」
と尋ねると、
「いえ、生まれも育ちも地元」だと。
その若い人たちは、行政系の施設で働いている人たちでした。
内幕を知っているだけに不具合が見えていたのでしょう。
「出稼ぎ」に頼る人が多かったこの地域ではマスコミチックなことなど関係ないのです。
「地方には地方の良さがある」
などと言いつつ、
●地名を変えたり
●今までなかったお祭りをしたり
と言ったことに代表されるような「地元の多くの住民のみなさんにはほとんど恩恵のないこと」に注力し、裸の王様に出てくる子供が「おかしい思う」ようなことには「それは都会の考え方」と退けてしまうような姿があったりするものです。
かくして地方はバランスの悪い地域になって行き、行くのです。