「困っている」ことがない時代 [どう受け止めたらいいのか]
先の参議院銀選挙の投票率はとても低かったようです。
「参院選投票率48・80%、24年ぶり50%割る」(読売新聞 2019/07/22)
https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20190722-OYT1T50220/
いろいろな角度での分析もあるのでしょうが、
●高齢者が体調や物理的な問題(投票所が遠くなった)等の問題で投票に行く人が減った
●めぼしい候補者がいない
●争点がよくわからない
●地方は自民党が強く、都市部の一票の重みが伝わらない
ということもあるでしょう。
しかし、私が何よりも思うのは、
「誰も困っていない」
ということではないかと思っています。
困ってないから、どんな人が政治家になっても(当選しても)自分には関係ない
という考え方もできるはずです。
たしかに、だれしも、不安や不満は大なり小なりありますが、今の政治が聞いてくれるとも思いません。
特に野党は
●将来を見据えた天下国家を論じることもない
●このままでは国民生活に大きな影響が出てくるという危機感がない
選挙戦であったような気がします。
●消費税については上げ幅は2%ポイントなのです。
「消費税引き上げはダメだ!」と言ったところで、100円につき2円の引上げです。
特定品目については「軽減税率」が用意されています。
「不要不急の買物はしない」「贅沢はしない」と決めれば何とかなります。
●老後の資金不足不安についてももともとわかっていた話です。
・子育てが終わればなんとかなる
・すでに年金をもらっている人も何とかなっている
と考えればそれほど大きな問題でもありません。
●東京への一極集中と言っても自分の子どもも都会に住んでいます。
・戻ってきても暮らせない
・子どものやりたいようにさせたい
というのが多くの親御さんの考え方なのです。
●防衛問題もそこまで緊急性はないだろうという思いです。
・日本が手を出さなければ何とかなる
・自分の子どもが戦争に巻き込まれるのは嫌だ
と考える方が自然です。
●憲法改正も「国民投票」という歯止めがあります。
・徴兵制にでもならない限り大差はないはずです。
などと考えると、
「選挙に行こう!」と言われてもそれほど意識は変わるものではありません。
例えば、
●野党が「消費税を5%に引き下げる」とでも言えば投票に行った人は多かったはずです。
●野党が「国会議員の数を2割減らす」と言えば投票に行った人は多かったはずです。
本当に国会議員の定数を削減すれば、議員先生も必死にお仕事をなさるはずです。
不偏不党を隠れ蓑に主張を持たないマスコミに期待はできません。
それは選挙後の報道ぶりを見ても明らかです。
「マスコミ」と言うだけで高い所得と社会的地位を得ている限り「マスコミ」には期待もできません。
こんな状況下で「投票に行こう」と言う掛け声だけで投票率が上がるとも思えません。