「家族葬はお金がかかる」というウソ [みんなうすうす気づいている]
お葬式の話題になると「家族葬をする」と答える人が増えてきました。
ところが、先日見たテレビ番組の中で、進行役の女性の方が、
「『家族葬はお金がかかる』と知人が言っていた。なぜなら香典が少ないから」
というようなお話をされていました。
この話の間違いは、
①「香典」は収入であり、「お金がかかる」という費用ではない。
②「家族葬のほうが葬儀費用は明らかに安い」という事実確認なしに葬儀の収支を説明している。
③「香典」は収入ではあるが一時的な借金のようなもので、先々の香典をいただいた方のご不幸事には「香典帳」を見ながら、今回いただいた香典額と同額をお返ししていかなければいけない。
つまり「将来の返済が待っている」と考えておかなければいけない。
ということです。
私は、父、母の葬儀を喪主として執り行いましたが、
父の時には「香典」「供花」「弔電」について自然体であったために、その後の返礼はずいぶん大変でした。
母の時には、父の時の反省に立ち、「香典」「供花」「弔電」一切いただかないという対応を致しました。
弔問客の一部からは「うちもいただいているので」という話もありましたが押し切りました。
その後の知人等のお葬式には、私は「香典」を持参していますが、「香典返しは不要です」というお断りを入れています。
「家族葬」にするからには、
①葬儀の規模を小さくする
②「会場使用料」「祭壇」「棺桶」等の葬祭費用、あるいは仏式の場合はお寺等の費用(お布施、戒名料等)などの固定費をいかに圧縮するか
ということを事前に想定しておく必要もあります。
「香典」をいただかないことで一時的な支出は増えますが、将来にわたっての負担感は大きく減じられます。
なお、葬儀費用を用意していらっしゃらない方向けには、行政が「補助金」を用意するようなことも必要ではないかと思います。
「香典」や「供花」や「弔電」を受け取らないことは、ある意味、「その後の気が楽」という副次的な効果もあります。
年賀状同様ある程度交際の範囲を狭めてしまうことは止むを得ないと考えておくといいのではないでしょうか。
敢えてお葬式などに行かなかった時は「知らなかった」「出張していた」等々と後日お悔やみの言葉だけを伝えることにしています。
なお、こういう話題は家族でも話しにくいものですが、「こういう話を聞いた」と人の口を借りて家族会議の話題になさるのはいかがでしょう。