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「トヨタ株の急落」と「国民の暮らし」 [どう受け止めたらいいのか]

昨日はトヨタ株が急落したようです。
「大引け時点で大量売りが出た。前日比93円(5%)安の1857円で取引を終えた」(日経)
「午後の取引終了時に急落し、前日比4.8%安の1857円と終値ベースで2022年5月7日以来およそ1年ぶりの下落率で取引を終了」
「前日の終値からの時価総額の下げ幅は約1・5兆円にのぼる計算」(朝日)

❶子会社ダイハツの不祥事
❷EV車の開発や販売の遅れ
等を考えれば値下がり懸念は想定されていたことでしょう。
他方、
①防衛費増の恩恵を受ける
②堅調な受注状況
という好材料もあります。

株式をお持ちの方は一喜一憂の方が出てしまいました。
マスコミは毎日のように株価が上がれば「好景気」を騒ぎ、下がれば「なんか暗いトーン」でお騒ぎです。
こういった株価の上げ下げは国民の暮らしにはどうのような影響があるのでしょう

その点を明確にひも解く方はいらっしゃいません。
私のように「株式投資」を行っていないものにはチンプンカンプンです。

そこで私なりに考えてみました

株価上昇のメリットを考えてみましょう

①「景気がよくなったようだ」「景気がよくなりそうだ」と言うようにマインドが好転します。
実際にはどうなんでしょう?
ただし、長年「賃上げ」が行われてこなかったらしいことを考えるとマインドだけなのかもしれません。

②「株価連動型の報酬制度」を導入されている企業では笑顔がそこここにみられるでしょう。
「ストックオプション」「株価連動型役員報酬」などが典型的です。
「ストックオプション」とは「新株予約権」の一種で、株式会社の従業員や取締役が、自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利のことです。
企業のステークホルダーに「安い株価の時に株の購入予約の権利」を付与し、当事者は「株価が高い時に株を売る」と言った仕組みのようです。この差額が儲けです。
「株価連動型役員報酬」は字のごとくのはずです。
「株価が上がればいい」・・・と言う経営にシフトしがちです。
※経営トップが「株価、株価」を連呼していた企業がいつか破綻していったというアメリカの映画を見たことがありました。

③株式保有者は売却、配当等で大きな利益を獲得できます。
こういった株で儲けた人たちが国内消費(買い物)に資金を向ければ国内景気的には好材料でしょう。
しかしこういった方々は、「再投資」に向けたり、「国民全体にその恩恵が広がるようなお買い物をなされない」のも特徴的です。

④株式投資の比率が高まった「年金資産」の充実も図れるでしょう。
もし株価が下がれば年金原資が減ってしまいます。
長寿化・高齢化は「年金受給者が増える」こととセットです。
「年金運用が損する」などと言うことは許されません。
株式投資をなさる方から見れば、、年金運用が失敗するような「日本の株価は政府が支える」と考えれば安心して日本株投資ができるということです(銘柄さえ間違えなければ)


これだけメリットがあっても「日本国民の暮らし」はよくなるのでしょうか?
マスコミが大騒ぎするほど「日本国民の幸せ」につながりますでしょうか?
「株価が上がればよし」と言うことなら「アベノミクスは明らかに成功」したはずですが結果はそうでもありません。

❶「物価は高止まりしたまま」です。
物価のキーポイントは
「為替」(輸入物価)と「調達」(品不足なき輸入)です。
・コロナ
・ロシアのウクライナ侵攻
の影響を強く受け物価は高止まりしたままです。
株価の上昇の裏側には「物価高」と言う「国民の暮らしにどうしようもない不具合」が起きています。
最近は円安基調ですがマスコミ的には大騒ぎになっていません
「物価」は大丈夫でしょうか?
株価よりも為替をもう少しよく見ておく必要があります。

多くの企業の「賃金が据え置かれたまま」のようです。
株価が上昇したメリットが企業の利益と言う形で存在するのなら「賃上げ」「設備投資」などがもっともっと積極化されてもいいはずです。

「非正規雇用」と言われる「低賃金労働者と言う雇用」に支えられた経営ぶりです。
これでは「朕はたらふく食っている」状況にすぎません。

株高に支えられた企業経営マインドの好転でも法人税を払っている企業は37.3%です(国税庁)
「税金払えよ」と言うことです。

令和2年度分会社標本調査結果」(国税庁)
❶法人数全体は、279万560社(前年度比+4.5万社、同+1.6%)であり、平成24年度以降、8年連続で増加している。
利益計上法人数は105万782社(前年度比▲0.3万社、同▲0.3%)であり、10年ぶりに減少している。他方、欠損法人は173万9,778社(前年度比+4.8万社、同+2.9%)であり、2年ぶりに増加している。
❸なお、全法人に占める欠損法人の割合は、62.3%(前年度比+0.7ポイント)となっている。



株価で経済を占っても、「日本経済が堅調と言うには物足りないあるいはそれがどうしたの?」状態です。


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