「カローラ」「クラウン」はトヨタのフラッグカー(代表する車)ですね
かつてこんなCMがありました
「カローラが変わった。。。。」と
すこしキャラクターが違うかと思いましたが、北野タケシのCMはある意味印象的でした
それはトヨタからのマーケットに向けてのメッセージでした

1966年(昭和41年)にデビューしたカローラは、日産のサニーと競いながらその時代を反映してきた車です
たかがCMのコピーですが、キャッチコピーにはやはり販売戦略が秘められているのではないかと想像します

トヨタというか日本を代表する大衆車であるカローラは、日産のサニーと競いながら日本の自家用車市場をリードしてきた車です たとえば「隣の車が小さく見えます」というのは、日産サニーが、排気量を従来よりも100CCアップしたときのCMコピーで、明らかにカローラを意識したものと言われています

ところで、カローラは、昭和41年(1966年)に誕生し世に出て行きました
ライバルの日産が1000CCのサニーを発売すると言うことで、1100CCの排気量にしたと言うエピソードもある車です

昭和41年といえば、「もはや戦後も終わ」った日本は高度経済成長の真っ只中で、大衆消費・デモンストレーション消費時代を迎えています(ある意味、今の中国のようかも知れません)

当時の車(カローラ・サニー)購入世代が30歳前後の方だったとしましょう
「カローラが変わった」のCMコピーが流れたのは2000年(昭和75年)のことです カローラデビューから30年強の月日がたっております 
カローラの誕生当時のサラリーマン30歳も+30歳の年を取り=既に60歳前後の方になっておられます 平社員であった彼らもポストが上がり、企業では枢要ポスト(たとえば部長・役員等)に就任された方もいらっしゃったり、あるいは定年を迎え、孫もでき悠々自適の年金生活者の方もいらっしゃるかも知れません 40歳前後で借りた住宅ローンも退職金で完済し、生活にもゆとりのある世代です いまさら平社員時代の車のカローラでは物足りなくなっていらっしゃったはずです しかしながら、一気に「いつかはクラウン」に乗り換えるには気恥ずかしい世代でもあります

実は「カローラが変わった」時に販売されたカローラには1800CCの排気量のものが追加されています いつまでも1000CCクラスの大衆車ではなく、1800CCの車格にまで格上げされています 想像するにこういうユーザーの生活レベルの合わせた車タイプを加えたのが1800CCモデルの追加なのかも知れません

「カローラが変わった」と言う意味は、
①カローラ自体物理的に変わった
と言う意味と
②カローラを買っていたお客様が変化したのでそれに合わせた
と言う意味があるのではないでしょうか。。。。

実は、発売された当初は、「30歳前後のサラリーマンファミリーが乗る車」であったはずなのに、そのカローラファンは年齢やポストが上がってもカローラだけは一緒に生活パートナーとして彼らの世代に連れて来ていたのではないのでしょうか。。。。。。
その方々が高年齢・プチハイソサイティ化していったことから、カローラ自体がそういう世代に適合するような車作りに変わりました=カローラが変わったということだったのでしょうね

かくして、かつてカローラやサニーが得意としていた(リッターカー)マーケットには、ビッツ(トヨタ)、マーチ(ニッサン)、フィット(ホンダ)等々の新車種群が投入されていったのではないでしょうか

人口や世代は絶えず進化していきます その動きは鈍いですが、気がついてみると大きなうねりになっていることがあります 昭和41年に30歳だった方も2009年(昭和84年)の今は、既に70歳台の半ばに達しようとしています ということはそろそろ自動車運転免許証を返上してもいいと言う世代グループになりつつあります

皆様の企業グループ・商品のマーケットはいかがでしょうか?
時代の緩やかなうねりの中で
①いかにキャッチアップされていますか?
②どう変わっていますか?
おそらく基本は変わらないのですが、小手先の対応だけではマーケットが振り向いてくれないかも知れませんね