最近は、銀行でも保険を売っています
そんなこともあり、銀行員でも、保険の販売員資格をもっている人が多いようです

映画やTVコマーシャルで活躍する「とある有名女優」のプロフィールを見ていたら、資格欄に「損害保険販売資格」などというのが書いてありました
彼女は、学生時代にミスキャンパスになり、読者モデルとして活躍していたのですが、大学を卒業すると某銀行に就職したとのことでした
銀行からは追い出されるように女優の道に移り変わっていったようです
ちょっと余談になってしまいました

先日、銀行の先輩から、「自分が入っている保険を見てくれ」と相談を受けました
彼は、60歳半ばで、銀行を退職すると、ご親族が経営されている会社で財務・総務担当役員として今日までお勤めです

そんな仕事柄と人柄もあり、かなりたくさんの生命保険や医療保険にお入りになってしまったようです
ふと気づいたら、「保険料で生活費が足りない」という状況で、小生に相談に乗ってくれというご趣旨です

保険は、一度は契約しまうと、毎月(または毎年)きちんと払わないと失効してしまいます
銀行の預金と違い、休むと権利がなくなるのです
そんなことからか、契約的義務的貯蓄と呼ばれています
ただ、病気や死亡と言ったまさかの事故に対して、相互扶助を行うものです

拝見すると、確かに、毎月すごい保険料です
一つ一つは意味のあるいい保険ですから、セールスが来るたびに、あるいは頼まれるたびにお入りになったようです
ご親戚に保険代理店の方もいらっしゃるらしいので、やむなく入ってしまったものもおありのようです

小生の答えは
①先輩の保険は
1.保障をお考えになった
2.保険料をお考えになった
3.義理もある
4.ライフプランを考えたこと
5.預金の代わりの投資と考えた
などの理由でお入りになったのではないのですか?
②解約したそばから、病気にでもなったらどうしようという不安もあって、入るばかりで、解約とか見直しをなさっていないのではないですか?

と申し上げたところ、「その通りだ!」とのご回答でした

それなら、対応策として
①ありったけの保険証券(または保険会社からの案内)を揃えてください
②わかる範囲で、それぞれの保険に入った経緯を抜き出してみましょう
③そして、銀行系の保険代理店にもっていって、診断してもらってください
と申し伝えました

先輩は、
①確かに入った理由はそんなものだ
②でも、保険会社からの連絡や通知は、じっくり見もせずに捨てている
③入る時は、説明を聞いて入った
④でも、資金繰りがついて行かなくなった
⑤だからと言って解約もできない
とのお答えでした

小生が思うに
①保険屋(保険の営業マンやセールスレディ)は次から次に勧めてきます
・・・・保険も一応限度額がありますが、サラリーマンなら限度額まではなかなか達しないのでどんどんセールスしてきます・・・・結果的に、おなかいっぱいになって、病気になりもしないのに、保険料を払うために働いているかのような錯覚を覚えていらっしゃるようです

注:車のセールスマンは、さすがに、一軒の家に、必要以上に何台も車を売る人はいませんが、保険セールスは、形が見えないだけにいくらでも売りつけていきます
「新型の保険が出ましたので。。。。」というのが殺し文句です

②銀行員は保険の実務に暗いので、逆に、堅実すぎる、見方をしてしまいます
・・・・借金過多の企業には、貸さないどころか、返済を迫ったり、残高の圧縮を平気で勧めます
したがって、ドライに保険の解約を勧めてきます

③ではでは、銀行員でも保険屋でもない「銀行系の保険代理店」は、銀行員のクールな目と、保険屋さんの実務を併せ持つ人がいるかもしれません(その正反対の方がいるのも事実ですが)

1.保険は病気になってからでは入れません
2.若いと保険料が安いのです
3.年齢とともに、年収も減り、思わず解約したくなるのも保険です(これから使うかもしれないリスクが高まって来ているにもかかわらず)
4.「私は保険に入っているからいい!」とタカをくくっていると、古臭い保険のままになっている人も多いようです
社会環境や医療環境の変化に合わせて見直すのも得策です
5.せっかく解約しても、年齢が上昇しているため、新しい保険に入り直すと、今まで以上の保険料になってしまうのもよくあるケースです
6.2本の保険を解約して1本の保険でキャッチアップしてしまうと、思ったほど保険料は減りません

ですから、家中の保険証券や保険の案内を取りそろえて、保険代理店などで診断してもらうのも一つの方策なのです

1.死んでからもらうのか(遺族に残すのか)
2.生きている内の病気などの不都合時の補てんとしてもらうのか
3.受取人は一体誰なんだ
などというのもポイントです

かつては、ガンになると告知をするかどうかというのは社会的・国民的なテーマでしたが、今では告知も一般的です 告知をして了解が得られないと、手術も検査も抗がん剤治療も受けられないからです


ちなみに、保険募集の資格試験には
「お客さんから預かった保険料を保険会社に入金するまでの間、ちょっと私用で使うことはいいか悪いか?」などと言った問題も出てきます
銀行ではこんな質問が出ることはまずありません
いいか悪いかというレベルではなく犯罪なのですから。。。。。