今月(22年8月)の日経新聞「私の履歴書」は、巨人の選手、ヤクルトの監督であった広岡達朗氏です

選手時代の活躍は存じ上げないのですが、野球評論家としての舌鋒の鋭さが大好きです
少し記事を拾ってみましょう

1.8月15日(日) 勝利への技術教える

広島の守備コーチになった1970年(昭和45年)のことだそうです

・・・・松田耕平オーナー代行が、根本さん(監督)に「道楽でチームを持っているわけではなく、チャンピオンになるために持っている。勝つための技術を教えられる人を連れてこい」という内容のことを言ったらしい
・・・・山本浩二らは「基礎練習だけで体はくたくただった」といっていたが、2年間で確かに広島の基礎体力はできた
・・・・「本人にやる気があって、正しい教育を続けていけば、人は必ず育つ」、それを選手から教えられた

2.8月17日(火) ぬるま湯体質に驚く

ヤクルトのコーチになった1974年(昭和49年)のことだそうです

・・・・選手を集めて、「おまえら勝ちたいと思わんのか」というと、「勝ちたい」と声をそろえる
・・・・オーナーは「巨人あってのプロ野球。優勝はしなくていい」という考えの持ち主
・・・・生え抜きの選手はトレードもほとんどないから、危機感もなく、ぬるま湯にどっぷりと漬かっていた。
・・・・選手の目を覚ますために、基礎の基礎から始めた。
・・・・「とにかく育つと思ってやってくれ」と指示した。

3.8月20日(金) 「巨人に勝つな」に驚き・・・正確な捕球 根気よく教育

ヤクルトの監督の時(1978年(昭和53年))のことだそうです

・・・・後援会関係の人に「広岡さん、優勝はしなくてもいいからね」といわれた
・・・・「巨人に勝つと、ヤクルト商品が売れなくなる」
・・・・優勝を決めた。みんな飛び出してきたが、私に一番先に抱きついてきたのがなんと松園尚巳オーナーだった。


みなさんを取り巻く企業の人材育成の風景はいかがでしょうか?
何か思い当たることはありませんか?
(「広岡監督のようなコーチが欲しい」などとおっしゃっている方も多いのではないでしょうか)


この広岡監督の「私の履歴書」が日経新聞に連載されている頃
NHK総合テレビの深夜、野球アニメ「メジャー」というのが放映されていました
http://www9.nhk.or.jp/anime/major/

主人公の茂野吾郎はマイナーリーグ3A弱小球団に入団し、そこでみたものは
監督の「優勝なんか不要 ケガをしたメジャーの選手を調整させたり、優秀な選手を上に上げるのが3Aの役目」という言葉と選手の「勝利あきらめムード」でした

先頭に立って、無駄といわれた意識改革を試み、最下位だった成績も上昇し始めていくのです

たかが漫画ですが、なんだか広岡監督の姿がだぶって見えてしまいました

※毎週土曜日にNHK教育で放送されているものの再放送だったと思います