「村木事件」などと呼んだら村木元局長に失礼かもしれません。

裁判の経過やその是非については、よく存じあげないので多くを語る資格はありませんが、
当時の企画課長に「可罰的違法性」(※)があったのかについては不思議です。

※「違法性が軽微であり、罰するほどの違法性がない」ような場合に使われます。


さて、あの郵政不正事件を企業経営における「他山の石」と考えてみませんか


今回の郵政不正事件は、「郵便料金割引制度の適用を認める偽証明書」が発行されてしまったことに端を発しています。

「偽証明書」といわれていますが、
①適正な手続きを経ず無断で発行されたのか?(公印の不正使用等)
②公印等すべてにおいて偽造されたものなのか?
③証明書の発行要件に該当しないにもかかわらず証明書が発行されてしまったのか?

マスコミの報道等ではよくわかりませんが、「障害保健福祉部企画課長」の公印が押してある書類がテレビの映像には映っていました。

「無断で」あるいは「適正なルールにもとづかないで」社長や責任者の印鑑が押された書類が作られたようなことが、皆様の企業でも過去にはあったりしなかったでしょうか?

最近では、大手商社「丸紅」の絡む大型詐欺事件がありました。何でもニセの社内稟議書が出回っていたようです。ただし、誤認させるような状況もあったようです。

銀行を取り巻く事案としては、バブル期の「尾上縫:架空定期預金証書」事件というのがあります。
巻き込まれた信用金庫は破綻しましたし、関係の深かった日本興業銀行も今はもうありません。

刑事事件になるかかどうかは別として、
銀行で時折あるのは、「預金の使いこみ(着服)」事案です。

銀行では、相互牽制が徹底しています。
①複数で照合を行う。
②日々照合を行う。
等々、水際での不祥事防止対策がなされていますが、それでも事件は起きてしまいます。


そういうトラブルがあると、(簡単に説明すると)
1.お客様の原状回復(含むお詫び)
2.事件の起きた理由(手続きのチェック)。
~行為者や決裁者や責任者が「何をして」「何をしなかった」かの確認
3.関与者の確認
4.他にないかどうか余罪のチェック(本件だけかどうかの確認)
を行い、

①誰が悪いのか
②どうしてこんなことになったのか
が検証され、

①関係者の処分(社内のことであれば、まず間違いなく上司と決裁権限者は処分対象になります)
②再発防止策の立案
③再発防止策の徹底
が行われます。

今回の郵政不正事件では、ここのところが見えてこないのです。。。。
証明書が偽造された事実がある以上、この点を明確にしておく必要があります。
たとえば、
①関係者の人事処分はあったのでしょうか?
②再発防止策は練られたのでしょうか?
③他には同様の事案はないのでしょうか?

さてさて、あなたの職場や企業では、こういうことはありませんか?(失礼ながら。。。。)
社長印の使用方法、使用状況などに課題はありませんか?

罪を裁くのは司直です。
しかしながら、失われた信用や損害を回復するのは皆さんです

今回の郵政不正事件を他山の石として「経営リスク」を再点検なさってみませんか!!