「業績」と「過小資本」 [裏づけのない経営学]
新型コロナの蔓延に伴う倒産を憂うニュースが報じられています。
おそらく、お客さんの減少から来る売上減が主な原因でしょう。
こういう時に考えなければいけないのは「業績」。
「業績」=「売上」
と考えていらっしゃる方はいませんか?
銀行員が考える「業績」は「利益」です。
つまり「儲かっているかどうか」です。
※人気ドラマ「半沢直樹」でも赤字を粉飾して隠していたことが発覚し大どんでん返しがあったはずです。
テレビなどの伝えぶりを見ていると、多店舗出店をなさっていて「たいへんだぁ!」とおっしゃっている方もかなり多いようです。
店舗数を増やせば増やした分は「売上」が増えますが、それに比例して利益が増えるわけではありません。
●年商1億円の企業で利益が1百万円だったとしたら利益率は1%です。
●年商1千万円の企業で利益が1百万円だったとしたら利益率は10%です。
あなたならどちらの企業を評価しますか?
儲かってもいないのに店舗を増やしていけば、今回のコロナのような事態になればコストばかりがかかってしまいます。
「経営がたいへん」とおっしゃる経営者の中には「売上ばかり追求して利益を追求してこなかった」方も多い感じがします。
この週末にテレビが取り上げていたインバウンド向けのの観光バス会社の場合は、もっと特徴的でした。
バスの台数も多く、各地に営業拠点を設けている企業でした。
しかし、あまりにも資本金が少ない。
1千万円にも満たない資本金です。
バスはリースでしょうから売上さえ上がれば資金繰りは回って行きますが、今回のように売上が止まってもリース料や家賃のような固定費の支払いは発生します。
そういうことは頭の中になかったのでしょうか?
アベノミクスバブルで景気が良かったように見えた日本ですが、経営というアプローチで見れば「自転車操業」の企業が多いのではないでしょうか?
「観光」を標榜する宿泊施設の多くも、顧客ニーズに合わせた設備投資が必要でおそらく借入金も多いはずです。
政府が「GoToトラベル」に力を入れるのも自転車のペダルをこぎ続けなければいけないご商売が多いということの裏返しでもあります。
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