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「コロナ倒産」と「自転車操業」と「資金繰り」 [裏づけのない経営学]

コロナの感染が蔓延し始めた頃、信用調査機関の発表には「コロナ倒産」という言葉が使われていました。

少し早すぎる。
もともと業況が悪い所にコロナで売上が止まり倒産の引き金となった

などと思ったものでした。
そうこうするうちに、「休業と補償はセット」とか「家賃が払えない」という声もたくさん聞こえてきました。


たしかに「新型コロナ」は経営環境の激変をもたらしました


こんな中で気になるのは、「経営環境の変化~急に売上が止まったり、儲からないという備えはなかったのか?」ということ。

●販売不振
●ライバルができる
●製品や商品が陳腐化する
●不良品が出るなどでコストアップになった
●原材料費の値上がりでコストアップになった
●従業員が辞めた
●経営者が不在になった
等々、経営を取り巻く売上不振、赤字、資金不足、損失要因はいくらでもあります。


ここでのポイントは「普段から経営を数字的に把握されていたのか?」ということです。


数字的に把握するツールとしては、


1.資金繰り表

●日次、週次、月次単位での「入金額」と「支払額」の入り払いの管理です。

現金商売だけなら売上は即お金に変わりますが、手形やクレジットカードや掛け売りでは売り上げと同時には資金になりません。

売上はあるのに「支払いを待ってください」ということが起きたりします。
ところが、家賃、光熱費、人件費、借入金の返済などのように現金払いのものは待ってくれません。

こういう資金管理に余裕がないと売上入金即支払という「自転車操業」になってしまいます。
つまり、売上が止まれば支払は行き詰ってしまいます。


2.損益計算書

●月次、四半期、半期、年次等の期間の儲け(利益)ぶりを示す数値管理表です。

期間中の売上と費用を明確にし、差し引きの損益をしますものです。
ただ、売上として計上していても、実際に現金として入金になるまでにタイムラグがあるようだと「勘定合って銭足らず」という問題もしばしば生じてしまいます。
売上には計上したけど、お金を受け取りに行ったら「相手が倒産していた」「値引きを要求された」というようなことになれば、「絵にかいた餅」状態になってしまいます。
ただ、損益(儲け)の傾向はつかむことはできます。


3.貸借対照表(バランスシート)

●ある時点での「資産」と「負債」の状況を示す数値表です。

こういう把握はなさっていらっしゃったでしょうか?
「資産」よりも「負債」が多い場合を「債務超過」と言います。

自分の商売の屋台骨がどうなっているのかがわかっていないと「売上減」「損失」が発生すれば経営はぐらついてしまいます。


おそらく、多くの企業経営者、財務・経理担当の方は百も承知のことですが、今の世の中、飲食店などの手軽な商売をなさっていらっしゃる方の中には「経営数字の管理」はどうなさっているのかな?とコロナ騒ぎの中で思ってしまいました。

昨今の東京の街の姿を見ると、立ち上げ資金が比較的少ないサービス業が多いような気がします。
ならばこそ経営の情熱の中に「数字の管理・把握」ということの重要性をセットしてほしいのです。

「商売をする」というのは見た目ほどには簡単ではないのです。
売上も儲けも一本調子で増えていくものでもないのです。

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