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「番頭さん」不在の企業の顛末~兄弟経営が「お家騒動」に [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

兄弟4人で経営されていた企業がありました。

長男が社長で、その他の兄弟が従う形でした。
ただし、三男は社外役員で別の企業を運営しています。

ある時、長男社長の経営の私物化が問題となり、次男・三男・四男が反旗を翻し、長男の追い出しに成功しました。

次男社長の下、順調な経営ぶりのはずでした。
実力社長の下、地場でも、一・二を争う企業となっていました。
次男社長の貢献大といったところでしょうか。。。

それから15年以上が経過し、今度は、追い出された長男と三男と四男が気脈を通じて次男を追い出すことに成功しました。

順調に経営されていたはずなのに、ある日突然、次男社長は解任されてしまいました。
その結果、従業員も離散し、営業実態すらない状況です。


「人」「もの」「カネ」とはいうものの、ここまで見事に企業が衰退してしまうとは驚きです。


この企業の弱みは、

①権利を相続した4兄弟のコミュニケーションがうまく行かなかったこと。
どうやら報酬を巡る不満や欲もあったようです。

②何よりも、この兄弟のご意見番がいなかったようです。
いわゆる「番頭」さんがいたらと悔やまれる次第です。

③顧問弁護士も、最初の時は次男につき、今度は長男についたようです。
彼は、経営ぶりをご存じのはずではなかったのでしょうか?

④取引銀行はどうだったのでしょう。
前回は、メイン銀行が追い出された「長男」につき、業況を見ながら「次男」のほうに戻ってきていました。
今度も特に意見も言わなかったようです。
業況が順調だっただけに口が出せなかったのかもしれません。


銀行の役割をもう少し考えることも必要があるかもしれません。
必要ないお金でもあったとしても借り入れをして「決算ぶり」を銀行に報告しながら「経営ぶり」を相談あるいはアドバイスをもらうような関係にしておくこともできたはずでした。

ただ、そういう役目ができる銀行も減ったのかもしれません。


兄弟が多いことはいいことに違いありませんが、経営に関していえば、兄弟が多かったことがこの二回にわたる「お家騒動」を引き起こしてしまいました。


今となっては無念というほかはありません。


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