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「移住」よりも「地元の若者が定住したくなる」地域づくりを [どう受け止めたらいいのか]

自民党総裁選挙でも「地方創生」という言葉はキーワードの一つのようです。

私が見る限りでは、

具体的なイメージがわかない

成功した話を聞かない

呼び込んだ移住者の入れ替わりが激しい

移住者は、コーディネーター的な仕事につく人も多く、必要でもないお役所の外角団体等に入り込んでいて、お役人の天下りとセットになっているケースも
机のうえ「他人ごと」のようにああだこうだというのではなく、現場で組織的に汗をかく人材が必要なのです。

等々の現実も見えてきます。


地元の若者が都会に出て行って人口が減った分を移住者で埋める」という対策ですから、地元の人たちの中には「こんなのでいいの?」と疑問を陰口にされる方も中にはいらっしゃいます。

また、「子育てにいい」という甘い言葉に誘われた移住者の中にはお子さんが高校生、大学生になられる頃には所得の少なさに直面なさる方もあるようです。


要は、地元の育ちの若者がその地で定住することを考えないと本当の意味での地方の活性化は生まれません

「元気がいい」と言われる地域でも「自分の子どもは都会に出て豊かに暮らし、行政は移住者を手厚く世話する」スタイルにどうも素朴な疑問がわいてくるようです。
ある資産家の方がおっしゃっていました。

先祖伝来の山や田んぼはもうどうなってもいい。子供たちに今の生活を捨てて帰って来いとは言えないし、お嫁さんも都会の人だから。。。」
と。


対策として考えなければいけないのは、

1.大学、高専、実業高校の充実

地方の中には「地域貢献」や「移住」などをテーマにする学科などもある大学があります。
高等教育機関でやらなければいけないのは「基礎教育」のはずです。
マスコミがちやほやするような「講義」を受けるのには若すぎます。

「基礎教育」に力を入れ、他地域から学生を呼び寄せ少人数でもいいからその地に残ってもらう工夫が必要です。

「地域貢献」を勉強して先々どんなことをするのでしょうか?


2.学生などの若者の地元歩留まりのためには「働く場所」の強化

どんなにいい学校があっても働くところがなければ若者は出て行ってしまいます。
また出て行った若者も帰ってこれません。

「観光」「飲食」のような非正規中心の雇用ばかりでも夢がありません。

「モノづくり」の強化です。

もし「移住者」を求めるなら、技術を持った方たちが必要です。
都会の生活に疲れ「自伐型林業」や「生業的な農業」につく方もいらっしゃるようですが、それでは地元の若者には魅力がありません。


サービス業支援の外郭団体を数多く作るのなら、モノづくりのための組織的な経営をする企業を公的資金で作り、そこに技術を持った移住者を呼び込む政策が必要です。

「少子高齢化」の時代、一人一人が竹やりを持って戦うような仕事ぶりでは追い付きません。
やはり得意分野のある技術者を呼び込み、人材を育てていく工夫が必要です。

「モノづくり」とは、「農業」「林業」「水産業」に加え「地場産業から派生した技術応用型産業」のことです。


補助金ばかり投入して、いつまでも納税しない人たちを抱え込むことは地方の疲弊に繋がります


3.「中核都市」づくりを先行させる

地方に行くと自治体の数だけ「地方創生」という看板があります。
ひところはやった「中核都市」という言葉はどうなったのでしょうか?

「中核都市が元気なところは所得も増え、周辺自治体の住人の雇用の場が増える」ということがあります、
住むのは限界集落であっても、働くのは「中核都市」という棲み分けも必要です。


中核都市の所得が低いところは、サービス業が多く、学歴があまり必要ない所であるきらいがあります。
ですから若者が出ていくのです。

職住が近接し、所得も高いというのならそれなりに若者も定着していきます。


4.「公共交通」に力を入れる

「夜12時まで酒を飲め」とは言いませんが、「田舎は車が絶対に必要」と息がっているようでは地方の商店街はますます衰退していきます。

商店街が今の生活様式に呼応しているかどうかはよくわかりませんが、公共交通の利用者がもう少し商店街の生き方が変わって来るのではないかと思います。

商店街が元気だった時代や所は「自家用車で行かなくてもいい」という文化があるはずです。
高齢者が多い地方こそ「公共交通のあり方」をもう少し考えるべきでしょう。


5.「医療に力」を入れる

高齢者が多いのですから「医療機関」の充実が求められます。
その余力で「医療ツーリズム」のようなものを受け入れることも必要です。

人口が大きく減少している地域の泣き所は医療機関も貧弱ということがあるかもしれません。


6.「移出」「輸出」に注力

つまり競争力をつけることです。
絶対的な品質の良さあるいは応用力で戦わなければいけません。

「うちのものはこんなにいいので、こんなにいい所なのでぜひ来てお金を使ってください」という発想では簡単に競争に負けてしまいます。

こういう自治体ほど「地方創生」とおっしゃっていることが目につきます。
要は「補助金ください」論が見えてきます。



趣旨は違いますが「都市の空気は自由にする」という言葉があります。
地元の若者がわくわくするような地域を作って行かないと寿命の短い言葉の遊びではいつしか若者は出て行ってしまうのです。


人口が減っていくのは止むを得ないこととして受け止め、減った人口でもわくわく豊かに暮らせる地域を作ることこそ「地方創生」のゴールなのです。



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