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「1ドル=145円」は円安なのか?円高なのか? [どう受け止めたらいいのか]


かつて「1ドル=150円」を円高と呼んだ時期がありました。

東海銀行で1983年に調査部長に就任しましたが、日米貿易摩擦が激化し、ドル高是正に向けての動きが始まる前でした。85年4月、東海銀行の「調査月報」で、当時1ドル250円の為替相場が150円になると予測しました。その年9月、先進5カ国で為替市場に協調介入するプラザ合意が成立し、翌日から急落して翌年には150円になったのです。予測が的中したので、一躍脚光を浴びることとなりました。
(出典:学校法人 梅村学園 歴史証言「あのころ」)

当時、東海銀行の調査部長だった水谷研治氏が「1ドル=150円」になると予測し見事に的中した時の話です。
1985年9月22日、先進5か国 (G5) 蔵相・中央銀行総裁会議により発表された、為替レート安定化に関する合意いわゆる「プラザ合意」によって急激な円高が生まれたのです。

その時、円高不況に対する懸念から、日本銀行は低金利政策を継続し、そして企業が円高メリットを享受し始めたこともあり国内景気は回復に転じたということがあったのです。
あの頃は「1ドル=150円」が急な円高だったのです。
(この低金利政策が「バブル」景気と相成ったのです。)


当時の「1ドル=150円」はその後さらに円高水準を更新し、日本経済も「円高」に慣れ海外進出等に向かったのです。

この時多くの企業経営者がおっしゃったのは「乱高下ではなく、一定の水準で安定してほしい」ということ。


今、「1ドル=145円」を円安と大騒ぎですが、この水準で安定したらどういう言葉が返ってくるのでしょうか?
円安局面での輸入物価の値上がりに多くの国民の皆さんは「物価高対策を何とかしてほしい」と大騒ぎですが、この水準が定着したらどうとらえればいいのでしょうか?

物価高対策の原因や水準論を丁寧にやらないとおかしな方向に向かうかもしれません。
今回の物価高にはおそらく「賃金の引上げ」コストを織り込んであるのかもしれません。


ただ、
「原油価格の上昇」を踏まえたエネルギー政策
「輸入物価の高まり」を国内生産で置き換える
と言った対応策も丁寧に議論する必要があります。





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