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お葬式の話② (誰も教えてくれない話) [ご商売の無駄話(beni色のessay)]

数年前のことでした 高野山の金剛峰寺を訪ねたとき、そこの若い和尚さんにお説教を聞きました
「ご霊前のお花はどちらにむいていますか?」という話です

本来は、亡き人に手向けるものですが、お花はすべて参拝者のほうに向いていると。。。。。

各地を転任していると、その土地土地でお葬式にも特長があります
たとえば
1.高知では
 お葬式のご焼香は、読経が開始されるとすぐに始まります
 参列者の大半は、その読経の順番を待つために長い列になりますが、読経が始まれば、焼香もスムーズでそんなに時間もかかりません
同じ日に3件のお葬式が重なったことがありますが、市内のお葬式であれば、これくらいのお葬式ならすべてに参列することができます
街の中心部のお葬式であれば、礼服を着て自転車でお参りされる方も多いようです
そういうお葬式のせいか、参列者がすごく多いような気がします

地元紙の「高知新聞」は、地方紙の中では購読率の高い新聞ですが、訃報記事を見ていないとうっかりお葬式を見逃してしまうので「高知新聞」を購読する方が多くなるらしいです
こういう言葉が適切かどうかわかりませんが、なぜか親しみのわくお見送りです
列に並ぶ参列者も、日銀支店長から商工会議所の重鎮等々多士済々です
お酒どころですから、夜の街のママさんの姿も多くみかけます

もちろん、ご遺族とか特に親しい縁者の方々は「代表焼香」と言って、焼香台よりも前に指定席が設けられます

2.徳川御三家の和歌山のお葬式は少しセレモニーです
まず、喪主と友人代表等故人とご縁の深かった方が入り口で立礼をされます
参列者のお出迎えと見送りをなさるのです
故人のご友人のご高齢の方が立礼をされているのはよくあることですが、冷え込むこの時期のお葬式では少し心配になってしまいます

ご焼香の時間になると、ご遺族(特に奥様やお嫁さん)は棺の前に座られてご焼香者一人ひとりにご挨拶されます(頭を下げられます) 喪主は、お見送りのために立礼をされていますから、棺の前は女性の担当です
お葬式は、通例、ご遺族・ご家族が悲しみの中でお見送りをされると言う姿を思い浮かべますが、客人に対してすごく礼を尽くされているような気がします
ご霊前に手向けるお花が参拝者のほうを向いているのと同じように、ご遺族の方も参拝者のほうを向いておられます

(余談ですが)「県民性の謎」と言う類の本を読むと、和歌山の県民性の一つとして「礼服とジャンパー」の文化を上げる人がいます その心は、日常生活は質素だが、セレモニーは大切にされると言うことのようです

ただ、たまたま時代の流れなのかも知れませんが、「香典をご辞退される」というお葬式は和歌山で始まったような気がします
ある霞ヶ関の有名官僚のご実家で、地元の有名企業の会長の母君のお葬式のときには、会長からきつく厳命されました 「花も受け取らない 父のときにはその列の長さに閉口し、かつ、後のお礼対応にも困った 仕事にならない お気持ちはありがたいがご辞退する」とのことでした


3.福岡のお葬式も丁寧です
特にお通夜がそうです お通夜もお葬式と同じくらい時間がかかります ご焼香だけで簡単に済ませると言うわけには行きません
タモリとか武田鉄也などに代表される話し上手の芸能人を多く生んだ土地柄なせいでしょうか
通夜でも告別式でも皆さんすごくご挨拶がお上手です
何よりもお坊さんの読経がすばらしいです

4.木場のお葬式
以前のことで今は変わっているのかも知れませんが、東京の材木どころ木場では、告別式よりもお通夜のほうが盛会です
木場の重鎮に教えていただいた話では、昼間は皆さん仕事なので夜のお通夜に出席し、告別式は近親者だけで済ませるとのことでした そのせいか通夜は長蛇の列です 通夜には木場村の材木業者の方が一同に会されます
彼の話では、特に銀行員なら、「早めに来て列が長くなり始めたら、先頭のほうから参列者にご挨拶をしながら最後尾に並ぶのがいい」とのことでした つまり、木場の重鎮がたくさんいるので、「ここの葬式にはあの銀行が来ていた」と言うことで故人の評価が高まるとのことのようです また、銀行員も「顔を売る」ことができるとのことです

お通夜を重視される地方も多いのではないかと思います 新潟のほうでもそういうところがありました

土地になじみのない小生が垣間見たお葬式の様子です
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