政治家の秘書は「忖度」などしない [銀行(員)と付き合う法]
今どきはやりの「忖度」(そんたく)。
仕事柄、政治家の秘書の方からいわゆる「口きき」のお話をいただいたことがあります。
彼らが名乗る時は、
「〇〇事務所の××ですが。。。」
が一般的です。
電話を受けた場合は「国会便覧」などで、その議員の「選挙区」と「所属政党」、「経歴」などを確認します。
もちろん、その「秘書さん」が実在しているかどうかも。
私は全国区の銀行でしたので地方議会の議員さんからのご紹介はありませんでしたが、ご紹介の主は総理大臣ご経験者以下いろいろな国会議員さん(ただし政党には偏りがありましたが)の秘書さんでした。
彼らは「国会議員」先生のお立場を忖度(そんたく)してお仕事をなさっていうよりは、銀行へのご紹介には「先生」と一体という話し方でした。
おそらく「支援者の要望受付係」として委託を受けていらっしゃるようなお立場だったのでしょう。
私たちが気を配らなければいけなかったのは、「秘書が勝手にやっている」というよりは「議員先生に通じている」ということでした。
時々、国会議員先生から「私が紹介する案件はいつも断られた」とか「あの件はあの企業も喜んでいた」等のお話しを直接聞くことがあったからです。
※私の場合はすべて謝絶でした。
なお、ある大物自民党議員先生は、秘書を通さず直接やり取なさいました。
直接お目にかかったこともありましたし、また議員会館にお電話をしたこともあります。
この大物議員先生のすごいのは、個別案件の紹介は私にはなかったことですが、直接の融資とは違う地域経済のことで時々ご照会があったのです。
私が電話すると、秘書の方も心得たもので「代議士と代わります」とすぐ取り次がれたり、直接議員が電話をお取りになることもありました。
皆様がよくご存じの有名議員さんです。
今回の「森友」問題で、「首相夫人付きの秘書が忖度した」という見解もあるようですが、秘書さんが忖度するというよりも「それがお仕事」状態というのが実情だと思います。
※今回の事案では「国家公務員の方」でしたから、「忖度」してスタンドプレーをなさるようなことはまずないでしょう。
「秘書さんからの連絡は先生からのご連絡」ということでしょう。
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