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「10年後、20年後を考えない過疎地」に未来はない [無駄の効用かやっぱり無駄か]


コロナの感染が拡大する前には地方の過疎地でフィールドワークをしました。
研究員ではないので住民の皆さんのお話を聞くというレベルですが。。。

興味深かったのは「10年後、20年後のことまで考えていらっしゃる方」とそうでない方の生きざまが明らかに違うということ。


10年後、20年後のことまで考えていらっしゃる方の心配事は、
「先祖伝来の田畑や山林や墓地をどうするか」
ということ。

自由に動けなくなると
田畑は耕作放棄地に
間伐されない山林は密林化
墓参りもされない墓地に
自宅は不在・留守宅に
という状態になるということ。

ただ、話をしていて伝わってくるのは「自分の代ですべて終わる」「子供には引き継がない」ということ。

なぜかと言うと、お子さんたちは「東京」圏「大阪」圏「名古屋」圏の有名大学で学び、海外駐在をしたり、東京近郊、大阪近郊、名古屋近郊で自宅を持ち相応の暮らしをしているということ。

「あの子たちに戻って来いよ」とはとても言えない田畑も山林も負担になるだけ
お子さんたちの配偶者も都会育ちの方が多いようです。

つまり「割り切っていらっしゃる」ということ。


そんなこんなで先日この土地の方からお電話をいただきました。
・20年近くにわたり同じ町長及びその子飼いの人が継承している
・町の行政は補助金まみれでやりたい放題で不透明
・先ごろ町会議員の選挙が行われ少し議員の顔触れが変わったので情報公開などに期待が持てる
・自分の支持した議員はやってくれそうだ
と何となく評論家のような嬉々としたお話でした。

そこで私より、
10年後、20年後のこの町の姿はどうなっているのですか?
水道管理などのインフラ管理、膨れ上がった役場職員の処遇、人口減の中の小学校や中学校の維持はどうするのか?
団塊の世代(1947年(昭和22年)〜1949年(昭和24年)生まれ)が後期高齢者になっていく現実にどう対処するのか?
という質問を返しましたが、明確な回答もなし。


つまり、
今の足元の「生活の困りごと」に目を向けていない
将来の「生活の困りごと」対策の種を撒いていない
ということが見て取れます。
例えば自家用車による移動を前提とした暮らし方とか。


人口ピラミッドを見る限りでは日本全国的に人口は自然減による人口減少が避けられないでしょう。
少なくなる人口を見据えた対策をどうして取ろうとしないのか?
と思わず思ってしまいます。

かくしてクレバーな方たちは「子どもたちの自由にさせる」と開き直っていらっしゃいます
この地でこれからも暮らす覚悟の皆さんは「足元の困りごと」を改善し10年後20年後に向き合っていかないと「タラレバ」ばかりが増えていきそうな気がします


地方の過疎地は補助金や移住者を呼び込むだけでは立ち直りません。
10年後、20年後の暮らしはどうなっていくのか」を考えた施策を講じなければいけない時期なのです。
早すぎることはありません。遅いぐらいです。


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