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「消費」ってなんだ [少し政治的な話を。。。。]


総選挙があるせいか「景気」「消費」「消費税」を語る方が多いようです。

消費を増やせば景気が良くなる」「GDPの半分以上は個人消費」等々の議論をなさる方もいますが、
「消費」統計のどこをどう見て議論なさっているのかよくわからないこともあります。


例えば、

1.「金額消費」と「数量消費」の区別ができているかどうか?

かつて5000円位したワイシャツも質的には今は2500円位のものに匹敵します。
ユニクロなどのファストファッションやアウトレットのおかげで高品質のモノの価格が下がってきました数量的に見れば相応な消費が行われているはずです。

ただ、高齢化社会の特徴として「食は細く」なりますから、口の数ほどには食料の売上は増えないのかもしれません
特に「コメ」は食の多様化と相俟って明らかに消費量が減るでしょう。


2.「個人消費」と「企業消費」の区別ができているかどうか?

「消費」には「個人消費」と「企業消費」があります。
レジに並ぶ「人」は富裕層も貧困層も企業の方もいらっしゃいます。
しかし「おカネの出所」や「財布の事情」はそれぞれ違います。
「企業消費」については文房具、弁当、飲食、ガソリン、車、携帯電話、交通費などを思い浮かべるとわかりやすいはずです。


特に「国家公務員倫理規程」(1999年)の制定以来、企業による接待、贈答(特に中元・歳暮)は一気に減りました
贈答品の定番であった「海苔」「茶」「梅干し」などの販売量には明らかに影響があったはずですし、デパートの外商部の在り方も大きく変化したはずです。


3.肌感覚の消費論

①家計調査
②百貨店売上統計
③チェーンストア販売統計
④自動車販売統計
⑤住宅着工統計
などの統計がありますがそれぞれをどのように分析されているのか?
個人のみの統計は家計調査のみであり、他の統計は企業による消費も潜り込んでいます。

「家計調査」についていえばサンプル数約8000のアンケートでありしかも「世帯」調査です。
ただでさえ管理が難しい家計の収支に加え、お子さんなどの収入や支出まで正確に把握できるのか素朴な疑問はあります。


4.「高齢化」「断捨離」「廃棄物」への関心が高く社会構造の変化が著しい昨今なのに「個人消費」に何を期待するのか?

「所得が増えた」から「給付金が出た」からと言って即買い物に使うというのも早計です。
景気が悪い時ほど「消費飽和」意識が高くなり、昨今ではそもそも「生活するのが精一杯」ということもあります。
家の中にはたくさんのモノがあり「新しいものを買うのなら何かを捨てる」「捨てるにも費用が掛かる」「捨てるにはもったいない」という考え方も支配的になりました。


5.消費税論議と相俟って「消費」のことをよくわかっていないと「消費税」を下げても効果は限定的なこともあります。

そもそも消費税については
●「国税」部分と「地方税」部分がある
●標準税率(10%)と軽減税率(8%)がある
●軽減税率の対象拡大という議論はない
ということも踏まえた議論が欲しい所です。


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