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「給料は上がらないが物価は上がる」と言っても。。。 [どう受け止めたらいいのか]

最近のテレビのニュース番組では「給料は上がらないけど物価が上がっており生活がたいへん」というような該当インタビューの声がしばしば取り上げられています。

本音はそうかもしれませんが、マスコミは岸田政権の批判の材料のように使っている節があります。


1.なぜ給料が上がらないのでしょうか?

①企業が儲かっていない(利益が増えない)

給料あるいはボーナスが増えるには「儲かっている」あるいは「経費節減が浸透し人件費増に回す余裕がある」ということが言えます。

「給料が上がらない」とおっしゃっている方々は働いている企業の業績を正確に把握なさっているのでしょうか?
もし「儲かっているのに給料(ボーナス)が増えない」ということならば「政治の責任」ではなく「企業の経営者」の問題です。
かつては「労働組合」を作り「団体交渉」をしたり「ストライキ」をしていた企業も多かったはずです。
そういうことは企業の内部で行われているのでしょうか?


②年功序列型賃金体系から成果主義にシフトしている

年功序列」が重視された時代は多くの企業で毎年給料が上がっていました。
いわゆる昇給・昇格というやつです。
さらには高給の年長者が定年退職することで「人件費の総予算額を変えなくても、若年層の方々の給料を年々引き上げるいわゆる自動昇給ができていた」のです。

ところが「成果主義」が重視されると、時の経過だけでは給料が増えない現象が起きてしまいます。
それどころか「定年延長で総人件費の減り幅が鈍化している」ことも考えられます。

あるいは「成果次第では成果給・業績給部分が減る」あるいは「降格や職務の変更により職務手当が減る」といった現象が起きてしまいます。


③成果を具体的に比較しやすい時代になってしまった

例えば銀行の例でいえば、
・かつてはそろばんが使えるだけで評価されました。
「計算命」の職場だったこともあります。
・今の銀行でそろばんを使っている人はいません。
多くの計算をコンピューターやパソコンがやってくれます
つまり「リテラシー(能力差)」が明確に出てしまいます。

また単純作業の多くもコンピューター技術の発達により大きく変わってしまいました。
預金の出し入れも「ATM」や「ネットバンキング」にシフトできたことで「計算相違」あるいは「勘定処理」そのものの時間短縮と人手の省力化が急速に進みました。
その結果「いなくてはいけない人」が「いなくても困らない職種」になってしまったのです。



2.なぜ物価は上がるのか?

「物価」というのは製・商品価格のことです。

①他社の製・商品と比べて著しい品質差が薄れた。

比較優位の製・商品があり価格競争に強いといった事情は価格差を生みます。
しかし現実にはその違いが分かりにくくなってしまい価格差なき物価上昇が起きているのです。

②原材料の輸入が増えすぎた。

中国のゼロコロナ政策による工場閉鎖などで輸入がままならない(日本に入ってこなくなった)ことも「物不足による物価高」をもたらしてしまいました。
ロシアのウクライナ侵攻の影響で「小麦」などの食料品の需給がひっ迫していることもあります。
「あまりにも輸入に頼り過ぎた」という反省も必要です。

③資源の輸入が多い。

エネルギー資源の石油・天然ガスが典型的です。
ほぼ全量が輸入に依存しています。
ロシアのウクライナ侵攻に伴う経済制裁でロシア産品が入りにくくなりました。
単に日本だけの問題ではなくウクライナ支持の国々では「品不足」→「取り合い」→「価格の値上がり」が起きていると考えても不思議ではないでしょう。


こういった話だけが原因ではないかもしれませんが、こういう話が日本の物価に色濃く投影されているのも実情でしょう。


「なぜ給料が上がらないのか」「なぜ物価は上がるのか?」を丁寧に理解せず「政治が悪い」と言ってしまうのはあまりにも短絡的で危険でもあります。

「じゃぁどうすればいいのか?」
という疑問を解消するだけの答えはありませんが、

かつて「石油ショック」が起きた時以来「省エネ」という発想や技術が浸透しました。

今の「給与が上がらないけど物価は上がる」という不満には、
ある程度の我慢は必要
我慢を緩和するには工夫が必要
ということでしょう。

不満だけをぶちまけても「給料は上がらないし」「物価も安くなりません」
明らかに「日本の国際競争力が落ち」「輸入品に頼る部分が増えすぎている」というのも実情でしょう。

こういった国際関係を無視したまま「政治が悪い」「岸田首相が悪い」というのもいかがなものでしょうか?
特に「安倍菅の9年」のツケが今なのです。




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