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災害は忘れた頃にやってくる (あなたは水害に遭遇したことがありますか?) [無駄の効用かやっぱり無駄か]

転勤人生を送っていると、どこかの地方で大きな災害に遭遇するものです
我が同僚の多くは、阪神大震災(1995年(平成7年)1月17日(火))を鮮明に覚えている人も多いようです
たまたま、ちゃぶ台を出していたまま眠っていたら、食器棚が倒れてきたが、ちゃぶ台が救ってくれたと言っていた人もいました

小生の場合は、高知の大水害(1998年(平成10年)9月24日(木)~25日(金))と玄界灘を震源とする震度6弱の福岡西方沖地震(2005年3月20日(日))に遭遇しました

このところの水害は、局地的な激流や地滑り等々で大きな被害になっているようですが、街中が大水に襲われ、いたるところに浸水してしまったという災害なんて想像できますか

中にはご記憶にある方もいらっしゃるかもしれませんが、
高知の水害は、報道機関の扱いが小さかったためご存知ない方も多いようです
[本]詳しくは、地元紙である高知新聞の記事をご覧ください
http://www.kochinews.co.jp/rensai99/gouken01.htm

今でもはっきりと覚えています
なにせ、年間降水量約3,000ミリの高知県ですが、このときは1昼夜で約1,000ミリ降りました
年間降水量の約3分の1が1日で降ったのです

この日は、お昼過ぎから、雨が降り続いていました
午後2時頃、お取引先を訪問
午後3時半から若手経営者の勉強会
午後6時頃から打ち上げの食事会
午後9時頃からスナックで2次会
というスケジュールでした

食事会の頃には大ぶりの雨でした 移動するタクシーを待つ間、まだ新しいスーツがずぶぬれになっていました 道路は川のように水が流れています

まだ赴任して2カ月くらいの時でしたから、土地柄もよくわかりません
高知では、バケツの水をひっくり返したような大雨はよく降る」と言う人もいて、呑気に歌ったりしながら騒いでいました
飲んだ勢いも手伝って、「平気。。。平気。。。。」ということでした
「大丈夫!あんたの支店やマンションはやや高い所にあるから水はつかない!」
と不安を取り去っていただく方もいらっしゃいます

ところが、みなさんの携帯電話が、鳴りやまない状態になってきました
「倉庫に水がついたらしい。。。。」「工場に水が。。。。。。」
ということで、一緒に歌っていた人が、一人二人と減っていきます
8階の店の窓から外を見下ろすと、ゴミ入れ用の大きなポリバケツが広場にぷかぷかと浮かんでいるようです
歓楽街の真中のロータリーも50センチくらいは水がたまり街中プール状態です

雨もやまず、帰るに帰れず、とうとう11時になってしまいました
残った客は、数人です
お店の人に、ブティックのビニール袋をもらい、上着とカバンを入れて、大黒様のように肩にかけ
ズボンを膝の上までまくりあげて、プールのような道路を歩いて帰りました
道すがらの商店街では、商品がぷかぷか浮いています
さっきまで飲んでいた仲間も水のかき出し作業です

マンションに帰りついた時はちょうど12時です
雷鳴がとどろき、瞬間、停電もしてしまいました
部下に電話をしたら、「何を寝ぼけたことを言っているのですか?」とのこと
彼のマンションは高台で、小生が見た光景は思いもよらなかったようです

東京の本部の災害担当者数名に電話をしたのですが
実は誰も出てくれなかったのです
ある方の自宅の電話にかけたら、「留守番電話」が出てきました この時間ですからお休みだったのでしょう
一人ならずも複数のお家がそうでした

携帯電話も、身体から離れているようです
一人だけ「電波の届かない・・・・」の人がいました
(おそらく歓楽街の飲み屋かなんかにいらっしゃったのでしょう。。。。)
年賀状を探し出し、ご自宅にお電話をしたら、奥様がお出になり「主人はまだ帰っていません」とのこと
彼からは、1時頃酔ったような声で電話がありました
誰一人役に立つようなアドバイスもしてくれません

教訓を少し。。。。。
①災害は忘れた頃にやってくる
②災害に遭遇した時のマニュアルはあるものの、知っている人はいない
③真夜中は連絡がとりずらい

④大雨の時は、道路の真ん中を歩く方がいい
・・・・・道路は真中(中央部分)が高くなっています
    道路端は「深み」があります
⑤マンホールの位置は覚えておきましょう
・・・・・マンホールに吸い込まれて亡くなった人もいらっしゃいました
⑥1階のトイレは使えないことが多い
・・・・・逆流して、汚水が吹きあがっているものもあります

企業の方へ
①1階にあるパソコンはほとんどやられます
……データーを喪失した企業もありました
②電子ロックの金庫は使用不能になり、銀行印や通帳が取り出せなくなった企業もありました
・・・・地元の四国銀行の支店の中には、金庫が2階にある店もあるようです 過去お札が天井に貼り付いた経験があったとのことです(さすがです)
③床下にある工場の機械の動力源等々は乾くまで待ちましょう
④座席まで濡れた車は、まず、故障します 座席のにおいも残ります ・・・・浸水したまま動かしたエンジンはそのうち動かなくなります
⑤道路と水平な店舗や事務所は間違いなく水が中に入ってきます
⑥当日の対応に目途がついたら、眠りましょう
・・・・・翌日以降の後片付け等々大変です

市民の方・経営者の皆さんへ
①近隣に、メッキ工場などがある時は気をつけましょう 有害物質が流れ込んできます
・・・・・食品工場の近くにメッキ工場があり、大騒ぎになりました
②地名に、「水」を思い起こさせる文字がある場合は要注意です
・・・・・たとえば「大津」というとこは水浸しでした 地名は歴史の証人です
③新興住宅地等の新しく開発された地域は想定しない水害に見舞われます
・・・・・小さな用水路に激流が流れ込みます
    かつては、遊水地の役目をした山林や雑種地も、宅地として整備されたり、アスファルトの道路になると、水を受けてくれません 小さな用水路に一気に流れ込みます
④水害の時は、とにかく高い所に登りましょう
・・・・・地下は危険です 大きな水槽になってしまいます 水責めの刑に会うようなものです
    水は高きから低きに流れます 高所で水の流れを確認してから動きましょう
    雨が上がった後も、高所に登って、「動ける道」を探します
    経験や記憶だけで動くと、大渋滞やぬかるみに巻き込まれます
⑤クレゾール等の消毒薬は必需品です
・・・・・水が引いたら、付近を消毒しましょう

その他の方に
①お見舞いには、お酒は禁物です
欲しいのは、人手、タオル、水(ペットボトルのお茶)です
数日後にお訪ねする場合は、栄養ドリンクなどもお薦めです
②水害地域ナンバーの中古車は買わない方がいいでしょう
・・・・座席やエンジンに水が回っています

マスコミの方に
①死者が出たとこばかりを報道しないで、全体像も丁寧に伝えてください
・・・・・高知では数カ月にわたりJRの線路が浮き上がったままで通行止めでした
②何年か後も定期的に、その後の状況を報道してください
・・・・・被害者の御遺族の状況だけではなく、自然のなりわい・傷跡も伝えてください

政治家の方へ
①災害対策工事を定期的に行ってください
②景気対策のための公共工事予算を、治山・治水工事に振り向けてください
・・・・・災害が起きてからの復旧工事にばかり目が行きますが、周期的なメンテナンスも大切です
技術の維持・開発にもつながります
③高速道路のトンネル付近や新興住宅地・道路等々のあたりは、遊水地が減っています
以前とは異なる水の流れや地盤の弱さが出現します
トンネル周辺は特に注意です 今までなら地下に浸み込んでいたものが、トンネル壁のためにしみ込まなくなり地滑り等の遠因になります(と思います)

高知の方々の素晴らしさについて
①雨にも負けず、床のじゅうたんの濡れたホテルとかで、翌日も宴会が続きました
・・・・・話題は、お金持ちのお医者さんのBMWが動かなくなったとか。。。。。
②高知の地元の部下は、自分の家は水びたしになりながらも、バス路線が不通になった一人を除き、みなさん出勤してくれました 
・・・・理由は簡単です「家にいてもお天気が悪いのでやることがない」と豪快でした
③水につかった地域の沿道はゴミの山でしたが、やはり不要なものばかり捨ててありました
・・・・・高額のものは2階に持ち上げられたお宅が多いそうです

今でも鮮明に覚えています
郵便ポストの上に車が乗っていました







タグ:水害 高知 大雨
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