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ワイシャツのステッチを見たことがありますか? [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

かつて円高デフレ・円高不況と言われた頃がありました
昭和60年頃(※)の話です


その頃はまだ、サラリーマンが愛用するワイシャツは国産でした
デパートでの定価は5,000円くらいが一般的だったでしょうか
その頃、小生のような船場の繊維問屋を担当する銀行員は、2,000円~3,000円位の白色の無地のワイシャツを着ていました

繊維問屋の不良品(いわゆるB品、B級品)を分けてもらっていました(ノルマでかわされていました)
微妙なキズや糸のほつれなどがありデパートの店頭では売れないものだったようです

これらのキズとか不具合と言えば
①本当に微妙なキズ
②糸のちょっとしたほつれ
③胸元のボタンの脇の縫い代部分のステッチ(縫い目)の歪みや不揃い
などのことです
洗濯すれば、すぐに忘れてしまうような部分です
言われなければ誰も気づかないような不良でした

このくらい当時の日本品質基準はうるさかったものです
あるいは、NICs、NIEs諸国産のワイシャツや肌着なら毛嫌いされてしまうような方々(消費者)がいらっしゃいました

さてさて、昨今ではいかがでしょうか
①どこの国で生産された製品かご確認なさったことがありますか?
②ワイシャツの縫い代の5ミリ幅くらいのステッチが歪んでいることを気になさったことがありますか?
③一体いくらのワイシャツを着てらっしゃいますか?

近年、小生が着ているワイシャツと言えば、1,000円~3,000円位のものです
どなたからも「安物を着ている」というご指摘を頂いたことはありません。。。。。。

①日本の物価がなぜ上がらないのか
②日本製品が、なぜ、海外で競争に負けるのか

このワイシャツのお値段の変化は、こういう海外輸入品の隆盛への答えの一部分なるのかもしれません

ちなみに、ワイシャツなどを縫製するJUKI、蛇の目、ブラザーなどの工業用ミシンが世界中に設置されているのです
優秀な日本の機械で作るのですから、中国・インド等々のアジア諸国でできた衣料品の品質も格段に向上しているのです
また、多くの日本人が細部にわたる過剰品質を求めなくなったのです

スーツにおいてもしかりです
かつては、スーツ1着の値段が初任給と言われた時代もあったのです・・・・・・・

そういえば、このワイシャツ問屋さんは数年前に倒産したというNEWSを耳にしました


※1985年(昭和60年)9月のプラザ合意の後の急激な円高によるデフレ・不況の時期をご記憶の方はいらっしゃいますでしょうか
 (実は、この時期は、日米円ドル委員会が設けられ「金融自由化」が議論されるなど、今日の日本経済の曖昧さがスタートした時期かもしれません)
 円高を背景に、アジアNICs諸国(アジアを中心としたNewly Industrializing Countries(新興工業国)その後Newly Industrializing Economies:NIEsと呼ばれた)から、低廉な輸入品が急激に増えた頃です




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