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「新しいご資金でご預金を!」というキャンペーンと郵貯の限度額変更 [銀行(員)と付き合う法]

ご預金をなさりたいという方の中には
新たなご資金でご入金した方には、特別金利の適用(金利の上乗せ)を行うというキャンペーンのご案内を興味深くご覧になった方もいらっしゃるかもしれません

たとえば、このコメントはある銀行のホームページにあるキャンペーンの注意書きです

以下の場合には、本キャンペーンをご利用いただけませんので、予めご了承ください。 ● 本キャンペーン開始日以降における、定期預金等の償還・満期金または中途解約資金等のご資金によるお振り替え※(当該資金の現金による払出後のお預け入れ等も本キャンペーンをご利用いただけません)

つまり、「よその銀行にあるお金や自宅で眠っている資金で新しい定期預金を作る場合は金利を高くしましょう ただし、この銀行の中にあるお金で定期預金を作りかえる時は高い金利はつけません」 という意味です

こういうキャンペーンを行うと、
今ある預金を解約して、
①いったん現金で払い出す
②よその銀行に送金する
等を行って、お金を持ちだされる方も多いようです

手間とリスクを恐れず、こまめに出し入れをなさる方も必ずいらっしゃいます
多額の現金を持って(電車賃を払って)、お金を出し入れしながら、高い金利の預金をわざわざおつくりになるのです

銀行業界に資金不足が起こると、こういうキャンペーンも増えますが、今、表だってこういうキャンペーンを行っている銀行は少ないようです
それほど、銀行にはお金が余っており、裏を返せば、運用難なのです(貸出等が伸びていない)

昨日(4月15日)の日経新聞朝刊の「大機小機」には、また「肥大化する郵貯が落とす影」と題して、郵貯の限度額拡大=郵貯・簡保への資金集中⇒国債の増発をしやすくする環境ができる懸念がある とのご指摘をなさっています

要旨を概説すると
1.わが国の公的債務は、国内総生産(GDP)の2倍に達し、水準の高さは礼を見ない
2.公的債務がこれほどの規模に膨らんだのは、政治家や無責任な財政運営のためだと指摘する声が多い
3.政治資金に群がる国民の姿勢が引き起こした面も無視できない
4.政治家の声にのった官僚は、へ理屈をつけては事業を進め、組織の維持と拡大に利用した
5.信じられないスケールの国債発行を可能にした背景には、わが国独特の金融システムがある
6.個人の金融資産の大半が郵貯や銀行の預貯金に滞留し、停滞する経済環境のもとで融資先のない金融機関は資金の多くを国債投資に回している
7.長年コツコツと蓄えた国民の預貯金が金融機関の国債投資に回り、際限なく膨張する財政運営を賄う構造になっている

とのことのようです
小生もこの整理には同感ですが、何か違和感があります
前回も申し上げましたが
①日本人は預金(貯金)好きな国民です・・・・・お金がないと不安だという人が多いのも事実です
・・・・・100歳の金さん、銀さんは、「TV出演のギャラを老後の備えに貯金する」とおっしゃっいました
②この虎の子の貯金を銀行が安全に守ってくれるので、銀行に預金しておこうと考えるのは普通です
③仮に、銀行に集まったお金が国債に投資されていたとしても、「それでいい 安全ならば」と考えるのも自然です
・・・・・日本国のほうが、そこいらの企業や新興国へ投下されるよりもよほど信用ができます

もし、「大機小機」氏がおっしゃるように、国債投資が不適切だというのであれば
1.預金(貯金)をしないほうがいいという生活環境や価値観を国民全体に広めなければいけません
2.預金をすると損をするような制度が必要です
3.預金がなくても老後やまさかの時に不安がないような国のかたちが必要です

そこの部分を議論しないで、郵貯の限度額引き上げばかりに目を向けているのもいかがなものかと思います

たとえば、
①預金保有税の創設
②預金相続税の創設
のように、預金があるということに対して税金をかける

③デノミを実施して、タンスの中に眠る資金を吐き出させる
ことなども必要かもしれません

今、お金を持っている人から見れば、金利の多少以前に、安全に預かっていただけることのほうが重大事項です

もし、国債の多寡を議論されるのなら、 「引き受け手があるから国債が増発される」などという本末転倒な議論をする前に、 「なぜ国債が必要なのか」「代替策はないのか」等々、 正面から議論すべきではないでしょうか

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