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社長の仕事・社長の責任(JR西日本の歴代3社長起訴は、代表取締役社長の仕事を変える(経営責任か過失責任か。。。)) [裏づけのない経営学]

電車に乗る時、「この電車は事故が起きるかもしれない」と考えて、乗りますか?
電車に乗る時、「この電車の会社の社長は誰だっけ?」と思い浮かべることがありますか?

兵庫県尼崎市で、2005年4月、乗客106人が死亡したJR西日本の脱線事故に関して、歴代3社長が起訴されました
新聞報道によれば、
起訴の理由は、社長として事故防止策を指揮する業務に従事していたことによるもので
①現場急カーブの付け替え
②JR函館線脱線事故
③ダイヤ改正で快速列車の本数が増加
を認識し、現場で脱線事故が発生する危険性を予見できたのに、自動列車停止装置(ATS)の整備の指示を怠った とされています

日経新聞(4月24日)によれば、
①現場カーブの危険性・・・危険であるとの判断できるだけの情報に接していない
②函館船事故に対する認識・・・・よく覚えていない 会議の細かい内容を社長がすべてチェックするのは不可能
③安全対策の責任・・・・個所個所の安全対策については鉄道本部長ら部下に一任していた
④現場カーブへのATS整備・・・・自ら現場カーブの安全性を検討しなければならないとは思わなかった
というのが歴代3社長の主張らしいです

この主張をみなさんは、どのように受け止められますか?
1.社長にもなれば、細かなことは、部下に委任しているのでわからないのは当然で、その刑事責任を取らされるのは困難
2.個別具体的な細かなことは別としても、総論として、電車の運行上の危険の報告と認識、および、安全対策の要非については、関与すべき事項である
3.取締役会では、こう言った課題は報告されないのか?
4.委任しているとはいえ、委任事項についての報告は受けているはず
5.JR西日本の社長さんともなれば、自社の電車には乗らないのか
6.他社で起こった脱線事故を他山の石として、自社の状況はどうなっているのかという確認または報告を受けているのは当然のことである
7.いったい、社長というのはどんな仕事をしているのか?

等々の意見が出てきそうです

このJR西日本の打線事故は、単に運転手の操作ミスというよりは、
1.鉄道事業を行う専門家としての安全運航義務の責任をどう問うか!
2.「急カーブ」とか「ATS」と言うのはビジネス上の意思決定・注意義務を要する高度な経営判断が必要なものでもある
3.こう言った経営リスクは、月に一度くらいは、経営会議で報告・議論されるのが一般的です
・・・・・特に、鉄道会社の場合は、大量輸送手段であり、多くの人の命を預かっているということの重大性に照らせば、月に一度くらいはそういう報告会があるのが普通です

という点がポイントではないでしょうか

社長の仕事の中には、
①時代時代の要請から来るレベルの経営判断を行う
②議論を整理する義務と責任がある
のではないでしょうか

この裁判の帰趨は、「社長の仕事」というものを改めて示唆してくれるものとなるかもしれません
もし、厳しい判断が下されたのなら、
①社長の人選
②社長の行動
③社長の報酬
などの考え方が大きく変わってくるのではないでしょうか

取締役会、経営会議、経営報告等々どういう仕組みでなにが議論されていたのでしょうか

富士通の件と同様、
①胡散臭い役員人事等が行われ
②役員がパラダイス気分に浸っている
ような企業があるとしたら、日本の大企業の経営ぶりのターンニングポイントになるかもしれません

社長業というのはストイックで過酷なものです
取締役もまた同じ。。。。

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