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「人材はいくらでもいる」と言うほどには人材はいない (特に、先代社長と後継社長をつなぐ番頭さん) [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

後継社長は創業者の長男
彼は、とある有名大学の大学院を卒業、
卒業後はとある有名社長の下で修業し、外資系企業に入社
海外勤務を経てお父さんの会社に。。。。。。

彼の口癖は、
①人材はいくらでもいる
②前の会社のほうが収入は多かった
この二言です

彼の不満は、番頭さん的立場の人たちが、先代社長と同世代で、
何かしら「古臭い」と感じることだったようです

培った人脈が豊富な後継社長は、自分のパートナーとして社外のそれなりの人材をスカウトしてくるものの
結局、1年ほどで、その彼らも転職していってしまいました

連れてくる人材は、お友達のような方が多く、耳に優しい人たちばかりです
しかも、後継社長は、「銀行嫌い」 と来ているものですから、親身になって経営の相談に乗ってくれる人がいません


先代社長はと言えば、銀行への信頼の念は強いものの、お取引各行の支店長の品定めをするような発言も多く、各銀行の支店長も勇気ある発言や直言を避けてしまっています


そんなこんなでこの会社には「つなぎ役」がいなくなってしまいました

先代社長の失敗は、自分と長男さんの真中に立てる「番頭さん」を用意できなかったことです
後継社長の戸惑いは、自社の中の腹心を見つけ切っていないことです

YESマンはすぐ集まりますが、
①直言したり
②背中を押したり
③ブレーキをかけたり
④汚れ役を引き受けてくれたり
⑤事前準備をしてくれたり
と言う腹心は、なかなか見つけにくいものです


今の世の中、後継社長がよく口にされる
「人材はいくらでもいる」
と言うのは事実です

彼が連れてきた人材は、プロフィールを見る限りでは凄い人材ばかりです
でも、
当社を好きになってくれる人材
相性のいい人材
現場に詳しい(現場の見える)人材
はなかなかいないものです

もし、この春、トップ交代を意識される企業がおありでしたら
①先代社長と後継社長をつなぐ人材
②後継社長と現場のスタッフをつなぐ人材
を、見つけておかれることをお勧めいたします

そういえば、この後継社長が師事された有名な社長の会社も、この有名社長が退任された今は業績も低迷しているようです




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岩井徹朗★会社の土台作り

後継者問題はなかなか頭の痛い問題ですね。
優秀な経営者と言われる方も自分の息子さんに対する評価は?がつくぐらいおかしなケースも。
もっとも、かの織田信長も息子達には甘かったという話もあるぐらいですから、今に始まったことではないかもしれません。
by 岩井徹朗★会社の土台作り (2011-01-26 19:02) 

beni_ha

岩井先生 殿

A:事業承継と相続問題がごちゃ混ぜになった企業

B:「先代を追い越したい!」と力の入りすぎる後継者

等々、
円滑な事業承継(=ビジネスの承継)には、長期的な準備が必要だと考えさせられることがいっぱいですね






by beni_ha (2011-01-27 00:25) 

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