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「白書」ってご存知ですか? (がんばれお役人) [無駄の効用かやっぱり無駄か]

今、座右に「国民生活白書」を置いています。
若いころ読んだものです。

皆さんは「白書」というのをご存知でしょうか。。。。。


霞が関の各お役所が、一年の行政回顧を行い、ファクト・ファインディングの結果、「自らの役所が今後何をなすべきか」を高らかに歌っているのです。

みなさんは「白書」と言えば、何を思い浮かべますか?

・経済白書(経済財政白書)
・防衛白書
・警察白書
・犯罪白書
・消防白書
・厚生白書
・農林白書
・環境白書
・通商白書
・中小企業白書
・観光白書
・・・・・・等々です。

ただ、お役所の名称が変わるたびに、白書の名前も微妙に変わっているようですが、
売上的には、昇進試験等に使われる(らしい)警察白書や防衛白書が上位らしいです。

たしか法定のものがあったり(「年次報告」と言います)、公表が閣議了解されるものがあったり、それなりに重みのあるものなのです。

今手元にある「国民生活白書」(昭和60年度)-戦後40年:成熟の時代に向けて-
は、金子一平経済企画庁長官の名のもとに公表されています。

CIMG0203.JPG

民主党政権になった時、「政治主導」という言葉が独り歩きし、思いつきのような政策展開がなされ続け、その多くがどうなったのかわからない状況です。


よくよく考えたら、自民党長期政権時代の晩年も、政治が何をしたかったのかよくわかりません。
特に「小泉首相」時代は、今考えると、あれはいったいなんだったのか? というようなことがないわけでもありません。

白書は、各省庁の腕と能力と知恵の見せ所です。
各役所内でもまれ、そして「合議(あいぎ)」という各省折衝を経て公表されるのです。

執筆陣が検討を重ねた行政分析・政策提言でも、霞が関全体にとって不都合なことであれば、全文削除という調整法もあるらしいのです。

今、手元にある「60年白書」に、こんなことが書いてあります。交通事故の分析・提言です。
高齢化社会を迎え新たな対応を迫られる問題が指摘されています。

[本]
「死亡交通事故を起こした高齢運転者の割合も、52年3,6%、53年3.7%から57年5.0%、58年5.5%と増加している。これは高齢の運転免許保有者の増加を反映している(略)」
と。。。。。

執筆者の話によれば、この件(くだり)は、さすがに警察庁から反対意見(時期尚早)ということで、削除要請があったとのことのようです。
ただ、データt的にも明らかにトレンドが垣間見えたため、文章として残った経緯があるようです。


公表された当時から25年経った現在、高齢者の自動車運転免許証の更新は適性検査が厳しくなり、そしてご高齢の方の中には免許の放棄をなさっていらっしゃる方も増えています。


最近では、イージーなマスコミのコメンテーターが、政治や政策をいとも簡単に切り捨ててしまいます。

かつて、霞が関のお役所は、実はきちんとお仕事をなさっていたのです。


日本の現状を丁寧に分析し、政策提言していく姿も必要なのです。


(参考)
この「国民生活白書」というのは
・政治家(経済の状況が概観できるとともに、選挙区の問題点をピックアップするのにぴったりの書だったようです)
・テレビ局のディレクター
・家政学部の学生
などにはよく読まれていたようです。。。。。

今はどうなんでしょうか



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