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巨人の内紛と「企業統治」と「内部統制」 ① (企業活動チェックのルール) [企業経営の風景・裏付けのない経営学]

今回の巨人の内紛騒動は、「いいとか悪いとか」という前に、とても面白く思いました。


1.企業の権限者はだれか
2.企業経営上のルールは何か
3.トップのあるべき姿(ボス支配)
4.よって立つ仕事のルール
などということに図らずも少しだけ警鐘を鳴らしてくれたような気がします。


テレビや新聞は、内部告発をした「清武代表よりも渡辺代表のほうが正しい」的な言い方をしているようです。

たとえば、
1.日本シリーズのさなかに話題提供は避けるべき(今までも避けてきた)。野球人としてマナーが悪い。
・・・・それなら「沢村賞の話」とかはやってもいいのか!日本シリーズ云々を言うのなら、一切のプロ野球関連行事・報道は自粛するべきではないのか!

2.渡辺氏のようなボス(ワンマン)も必要。
・・・・「決断者」は必要であるが、ルールが不明確・不透明なままでいいのか!

3.CSに負けた以上コーチ人事の変更があってもやむを得ない。
・・・・そもそも、CSの前にコーチ人事を決めたことが問題。まるでCSシリーズに負けることを予定していたようなもの。「負けたのだから変更する」というのもおかしな話であり、あったとしても条件付きで決めておくべきであった。

と反論したくなります。

そして、読売本社の渡辺氏について言えば、
①巨人軍のコーチ人事を「鶴の一声」で変更するほどの権限者なのか!?
②たとえ有能であったとしても、御年86歳におなりです。一歩引いて「後進に道を譲る」ということがってもよかったのではないのか!
③「後継者はいない」「後継者を作らない」とでもおっしゃっているようです。
④そもそもそれほど権限はおありなのか?
⑤取締役会は機能しているのか!?
と思ってしまいます。

他方、清武氏については、もう少し「大人の対応」をなさるべきだったんだろうとも思います。


内紛の主役:清武球団代表のコメントの中に、「大王製紙やオリンパスのように、企業の権力者が会社の内部統制やコンプライアンスを破るようなことがあってはならない」という言葉があります。


最近の企業不祥事の中で、マスコミの多くは「企業統治(コーポレートガバナンス)」の問題」という言葉をよく使いましたが、今回、巨人の清武氏が「内部統制」という言葉をお使いになったのはとても興味深いところです

難しそうな言葉なのでかいつまんで説明するには、東京証券取引所が定める「上場会社コーポレート・ガバナンス原則」(2009年12月)の言葉を拝借してみましょう。

1.企業統治とは、企業活動を律する枠組みのことを意味する
2.会社の業務執行は経営者(代表取締役、業務執行取締役、代表執行役、執行役等)の広大な権限に委ねられ、実行される

ということが基本です。
その切り口はいろいろあるのでしょうが、企業経営の不正や誤りを防止するためのルールや仕組みが「内部統制」ということかもしれません。


「企業統制(コーポレートガバナンス)」というのは簡単ですが、最近の不祥事の特徴は「企業トップのインチキ」がテーマになっています。このインチキをさせないようにするのが「内部統制」ルールなのです。


[本]
東京証券取引所が定める「上場会社コーポレート・ガバナンス原則」(2009年12月)

「コーポレート・ガバナンスは企業統治と訳され、一般に企業活動を律する枠組みのことを意味する。

およそ上場会社の企業活動は、収益を上げ、株主にとっての企業価値を高めることを主要な目的として行われるが、上場会社がそうした成果を継続的に挙げ続けることを期待するためには、企業活動を律する枠組み、即ちコーポレート・ガバナンスを通じて経営をそのように動機付け、あるいは監視することが欠かせない。
(略)
会社の業務執行は経営者(代表取締役、業務執行取締役、代表執行役、執行役等)の広大な権限に委ねられ、実行される(以下略)」












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